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駿「そっか。今でも連絡取れてる？」
『取れてるよ。今日の学祭も行けたら行くって。大阪の行けたら行くって来ないんでしょ？』
駿「来た方が変やな」
ふっと笑い合うと、ちょうどステージで行われていたバンドライブが片付けを始めた。
謙杜に会えなかった2年間は、決して短くはない。
物理的な距離のおかげで心にぽっかり穴が空くことはあったけど、定期的な電話だったりメッセージのやり取りなんかを謙杜が続けてくれたから、なんとか保ててる。
謙杜と付き合って、今年で4年になる。
付き合ってから一緒にいられた期間はほんの1年半。
半分以上隣に並ぶことができないのがしんどくて、メッセージの返信を冷たくしたり、電話に出なかったり、そういう勝手なことをした時もあった。
それでも謙杜は怒らず、何も言わず、いつも通り接してくれた。
私のことを嫌いにならなかったし、私を突き放すようなことも言わなかった。
そんな謙杜の優しさがある意味辛くて、それに比例して好きがあふれて、泣きながら電話をしたこともあった。
もちろん今も、辛くて寂しくてどうしようもないけど、去年や一昨年とは違って私も大人になったから感情のコントロールくらいはできる。
でもまたそうやって考える度に、鼻と目の奥がツンと痛くなるのだ。
駿「…泣きたくなるほど、長尾のこと好きなんやね」
『えっ？』
道枝くんの方を見ると、自分の視界がほんの少しぼやける。
『…うん、好き。好きだよ。大好き』
こぼれそうな涙を隠すように視線を下げた。
もう2,3年も会えてないのに、こんなにも謙杜のことが好きだなんて、彼と出会った頃は想像しなかった。
ましてや好きになるなんて思わなかったし。
涼しい風が木の葉を揺らし、私と道枝くんの間を通り抜けていく。
駿「そっか。長尾も喜ぶやろな」
『だといいな』
優しく笑う道枝くんの、何か言いたげな表情は見なかったフリをした。
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檸檬の妹(プロフ) - 完結おめでとうございます！ずっと前から読ませていただいて、作品がとても面白かったです！アナザーストーリーもしっかり読ませていただきます！ (2022年12月4日 11時) (
レス) @page50 id: 1fb600e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 下書き、頑張って！！応援してます！！ (2022年8月16日 9時) (レス) @page27 id: 64ad605d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずべりぃ | 作成日時：2022年7月1日 21時
