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全然知らん、男の声。
は？誰？
？「Aさんのバイト先の先輩です、西畑です」
謙「…へっ？」
走っていた足を止めて、呼吸を整える。
バイト先の、先輩？
なんで？
今日Aバイトあったん？
てか、なんでAじゃないん？
西「ご家族の方ですか？」
謙「えっ、と…」
彼氏です。
そう言えばいいのに、口に出せなかった。
なんて言おうか迷っていると、電話の向こうで賑やかな話し声が聞こえてきた。
Aちゃんお兄ちゃんおった？とか聞こえる。
西「もしかして彼氏さん、とか…？」
謙「あ、そ、うです」
今更恥ずかしくなって語尾が小さくなると、また電話の向こうで、声が聞こえた。
ほら〜！とか言ってる。
西「そうでしたか。なぜ僕が電話に出ているかお伝えしますね。Aさん、今救急車で運ばれまして」
嫌な予感が、的中した。
謙「…はい」
西「不審者に追いかけられて、走って逃げてきたみたいで。そのあと過呼吸になってしまって、こちらでもある程度対処してマシにはなったんですが、念の為ということで」
辛いのはAなはずやのに、聞いてるこっちもめちゃくちゃ辛かった。
正直頭は回ってなくて、理解するのに時間がかかる。
西「警察に連絡して、不審者は逮捕されました。親御さんにはこちらから連絡しておきます」
謙「そうですか…」
西「…お電話、切らせて頂きますね」
西畑さんが言った3秒後、ツーツーという音が流れて電話は切れた。
情報量が多すぎて、頭パンクしそう。
近くにあった公園のベンチに力なく腰をおろす。
やっぱり、1人で外出たんや。
しかも、そんなタイミングよくアイツに。
ひとまず逮捕されて良かったけど、思い出すだけで腹立ってきた。
なんで、いっつもこうなるん？
夏の暑さで倒れた時もそう。
クラスの人にいろいろ言われた時もそう。
厄介な先輩に絡まれた時もそう。
今回やって。
俺はいっつも出てくんのが遅い。
ずっとAのこと見てたはずやのに、なんでなん？
ふわっと笑う彼女が脳裏に映し出される。
謙「…甘えてたんかな」
Aが言う「大丈夫」や「気にしないで」という言葉に。
優しく笑う彼女の笑顔に。
『謙杜みたいに人の顔色伺って察せるほど、私賢くないよ』
嘘ばっかり。
Aの方が俺よりよっぽど賢いやん。
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檸檬の妹(プロフ) - 完結おめでとうございます！ずっと前から読ませていただいて、作品がとても面白かったです！アナザーストーリーもしっかり読ませていただきます！ (2022年12月4日 11時) (
レス) @page50 id: 1fb600e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 下書き、頑張って！！応援してます！！ (2022年8月16日 9時) (レス) @page27 id: 64ad605d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずべりぃ | 作成日時：2022年7月1日 21時
