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大吾side
優しく背中をさすっていると、落ち着きかけていた呼吸がまた速くなる。
同時に、苦しそうな呼吸が耳元で響く。
大「えっ、Aちゃん？」
『っは、っは…ぅ、はっ、っは』
おかしい。
離れたAちゃんを見ると、胸に手を当てながら必死に息を吸い込もうとしていた。
いろいろ疎い俺でも分かる、過呼吸。
『っは、っは、こきゅ、へんっ…』
大「大丈夫大丈夫。ゆっくり息吸って、吐いて」
息を吸えば吸うほど、吐く方がしんどそうで心が痛い。
過呼吸ってどうしてもパニックになってしまうんよな。
吸っても吸っても吸われへんくて、どうしようどうしようって。
やからとりあえず、先に落ち着かせな。
背中をさすってAちゃんを深呼吸させていると、片手にスマホを持った流星が、彼女を見て目を開いた。
大「ゆっくり深呼吸して。…そうそう、上手」
流「とりあえず警察呼んだ」
大「ありがとう。Aちゃん過呼吸なってもうてるわ」
流「救急車呼んだほうがいい？」
大「意識失ったら怖いから一応呼んどいてほしい」
高校の時、持久走のあとに過呼吸になったクラスメイトが意識を失ったことがある。
他のクラスメイトもパニックで、先生も必死で、自分も怖くて、それだけは鮮明に覚えていた。
流星は店内にいるお客さんを外へと誘導している。
さっきよりほんの少し呼吸が落ち着いてきたAちゃんは、片手で俺の手首を弱々しく掴んだ。
大「ゆっくりでええから。はい、吸って…吐いて…そうそう、上手やね」
『…っは、大吾さっ…』
大「ん？どした？」
『手っ…しびれ、る…』
痺れる？
過呼吸のせいで酸素が回ってないんか？
大「痺れる？痛い？頭クラクラせん？」
『ちょっと、っだけ…』
大「そかそか。もうちょっと頑張れる？」
マシにはなってきてるんやろうけど、手の痺れの対処は俺じゃ分からへん。
大人しく救急車を待つしかない。
お客さんを外へ出した流星はスマホを耳に当てたままこちらへ駆け寄ってくる。
流「近いからすぐ来るって。…はい。あ、もう着きます？分かりました、外出ときます」
そのあとほんまにすぐ救急車が来て、あとはもうお任せ。
俺らが変に手出すんもアレやし。
意識もあるし会話もできるけど、念の為ということで病院へ運ばれたAちゃん。
で、問題ははっすんやねん。
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檸檬の妹(プロフ) - 完結おめでとうございます！ずっと前から読ませていただいて、作品がとても面白かったです！アナザーストーリーもしっかり読ませていただきます！ (2022年12月4日 11時) (
レス) @page50 id: 1fb600e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 下書き、頑張って！！応援してます！！ (2022年8月16日 9時) (レス) @page27 id: 64ad605d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずべりぃ | 作成日時：2022年7月1日 21時
