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俺には兄弟がおらん。
身近な報告とか近況報告が出来るのは親2人しかおらんくて。
学校の話とか、友達の話とか、今日あったこととかも、全部話す。
もちろん、Aの話やってした。
文化祭の準備を一緒にやるっていうことも。
さすがにあの事件は言われへんけど。
母さんも父さんも、全部興味を持って聞いてくれる。
でも、デザインしたものを見せた時だけは違った。
母さんは苦笑い、父さんは呆れ、いつもなら深堀りしてくれるのにその時はすぐに話を逸らされて、俺には訳が分からんかった。
なんで？
センス無かった？
デザイン下手？
いつもみたいに話したかっただけやのに。
今思えば、父さんの反対がキツくなったのはそこからやと思う。
誰も認めてくれんくて、共感してくれんくて、それを相談できる人もおらんくて。
兄弟がおらん一人っ子の俺は誰にも相談できずに、どうしたらええんか分からんかった。
みっちーが唯一の救いやった。
もう無理や。
自分には向いてない。
親も嫌がってる。
デザイナーの夢は諦めよう。
でも、やっぱりそんな簡単に諦められることもなく、父さんと喧嘩勃発。
謙「センスもないし、親には反対されるし、おかげでモチベも無くなった」
『…そんなことない』
謙「そんなことあるんよ」
勢いでAの言葉に被せて、しまったと思うと、またじっと黙る。
でもすぐ口を開いた。
『夢って、そんなに簡単に諦められるものなの？』
謙「…そんなわけないやん」
『じゃあ諦めたらダメじゃん』
謙「だからぁ、親があかんって言ってんの」
お互い喧嘩口調になってきた。
俺も冷静にしてるつもりやけど、多分喧嘩売られてると思ってる。
『親の意見だけで左右されるって、それって本当に将来の夢なの？』
Aに言われて、俺の口から言葉が止まる。
一人っ子で兄弟もおらん俺には、親しかおらんかった。
だから親の意見しか信用してない。
信用できんのが親しかおらんかったもん。
やのに、人の気も知らんと。
謙「…なにそれ、俺の事知らんくせによう言うわ」
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檸檬の妹(プロフ) - 完結おめでとうございます！ずっと前から読ませていただいて、作品がとても面白かったです！アナザーストーリーもしっかり読ませていただきます！ (2022年12月4日 11時) (
レス) @page50 id: 1fb600e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 下書き、頑張って！！応援してます！！ (2022年8月16日 9時) (レス) @page27 id: 64ad605d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずべりぃ | 作成日時：2022年7月1日 21時
