2話 ページ4
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ふと目が覚めた。
両親の怒鳴り声が聞こえなくなっていたので、今は夜中かそこらだろうと思った。
蹲りながら寝ていた所為だろうか、身体が痛い。
思い切り伸びをし立ち上がる。
空腹は満たしてはいないが、もう気にならなくなっていたのでAは部屋に戻った。
回転式の椅子に腰掛け、またもシャーペンを握り始めた。
Aは、勉強を生き甲斐に生きている。
勉強だけがAを救い、現実から目を逸らせれるものだった。
なので、学校でも成績は良い方で先生からも優等生扱い。学級委員長を務めるまでになっていた。
「今日はここまでにしようかな」
シャーペンを置き、机に背を向けぐでーと背凭れに寄りかかる。
机に広げられた達筆な字で綺麗に纏められた数学のノートは、今の今まで勉強をしていたAの努力の成果だ。
数時間勉強をしていたので、月が傾き始め日が昇り始めてきている朝方だった。
明日は日曜日。さっき寝てしまった所為で、まだ眠気など一切ないAには救いだった。
やることもなくなってしまったので、ベッドへと身を投げ天井に目をやる。
静かな部屋に外から聞こえてくる烏の鳴き声。初夏真っ只中の今は日が昇のも早くなり、Aの部屋も朝日のオレンジ色で満たされていた。
「人生なんか嫌いだ」
この前読んだ小説の中に出てきた言葉。
Aは、自分の中にすんなり落ちてきたこの言葉に惹かれた。主人公は自分とはまるで違うのに、何故か同じに見えて小説の中に引き込まれていたのだ。
きっと自分も人生なんか嫌いなのだろう。
前までは楽しくて仕方なかった。たまに泣き出したくて仕方ない日もあった、だけどそんな時は大好きだった両親に手を差し伸べてもらって立ち直れた。
でも今は、大好きだった両親が大嫌いな両親へと変わり、泣き出したくて堪らないときは誰も手を差し伸べてきてはくれない。
そんな人生、嫌いにならない方が可笑しいんだ。
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幸福林檎 - 心理描写もすごく上手くて、大好きな小説です！初めてとは思えない！応援してます(^ ^) (2018年8月21日 23時) (
レス) id: c84f1b316a (このIDを非表示/違反報告)
らそまる(プロフ) - 天岸悠樹さん» はい！お願いしますね！ (2018年7月30日 3時) (レス) id: b11db4f032 (このIDを非表示/違反報告)
天岸悠樹(プロフ) - らそまるさん» やったあ！完成したら報告します！ (2018年7月30日 3時) (レス) id: 2eadb8d21d (このIDを非表示/違反報告)
らそまる(プロフ) - 放射性アイソトープさん» 態々ご指摘ありがとうございました。作者らそまるの勘違いにて起こしてしまった間違いです。本当に感謝しております。 (2018年7月30日 3時) (レス) id: b11db4f032 (このIDを非表示/違反報告)
らそまる(プロフ) - 黒羽さん» ほんとうですか！？それはとても嬉しいですね、これからもお付き合い願います (2018年7月30日 3時) (レス) id: b11db4f032 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らそまる | 作成日時：2018年7月27日 22時
