人生なんか嫌いだ。

7話 ページ9

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最終授業の終了を告げるチャイムが学校に響く。
今日の授業も中々面白いものだった。クラスメイトは寝てたりして、ちゃんと授業を受けていなかったけど。


「よー櫻田」

「ん？あぁ、宮本か」


「宮本 幸人」中学からの付き合いだが仲良くさせてもらってる、Aのたった一人の友人。宮本はムードメーカーで学級学年問わず人気者だ。何故自分なんかと関わるんだろうと、Aはいつも考えていた。


「今日暇か？良かったらゲーセン行かね？」

「お前馬鹿なの？こんなどしゃ降りの中出かける奴早々居ないよ」

「どしゃ降りだから良いんじゃん！人少ないだろうし、ゲームやり放題だぜ！」

「じゃあ一人でどうぞ。僕は受験勉強しなきゃなので」

「お前本当真面目野郎だな…たまにはサボっちゃえよー」

「宮本もたまには勉強したらどう？」

「勉強とか大嫌い！絶対したくないね」


こんな風に授業が終わると毎回絡みに来る。
受験生なのに関わらず遊びに誘ってくる宮本にAは鬱陶しく思い、勉強したらどうだと促すが宮本はいつになってもやるつもりはないらしい。
宮本は勉強が苦手らしく、どの授業でもクラスメイトと喋ったり落書きしたり寝てたりしている。その所為か良く先生達に怒られては、周りの笑いの的となっている。


帰り支度を終え、下駄箱へと歩みを進める。


「ねー遊びに行こうぜー…」

「…」


未だに遊びに誘う宮本を無視しながら、Aは内履きから外履きへと履き替える。雨な所為か下駄箱が泥だけでびちゃびちゃだ。


「うっわ、朝より雨酷くなってきてるぜ」

「…ほんとだ」

「お前家近いの？」

「15分くらいはかかるかな」

「微妙に遠いなー俺なんか5分で着くぜ！」

「羨ましい」


宮本と軽く話ながら、家路を歩く。
初夏でも、雨が降ると少し肌寒くなる。腕を擦って寒さを凌ぎながら、なるべく雨に濡れないよう配慮し傘をさす。

「じゃあ俺ん家こっちだから、じゃあな！」

「ん、また明日」

宮本と別れ、一人家路に着いた。





「ただいま」


雨に濡れてしまった身体を急いで暖めようと、家に帰ってすぐお風呂場へと向かった。スラックスを洗濯機に放り込み乾燥機をかける、ブレザーを着ていかなくて良かった。


軽くシャワーを浴びて、お祖母ちゃんが洗ってくれたであろう部屋着へと着替えた。
二階に上がり、自室に隠った。
さて、今日やった授業の復習でもしようかなと机に向かい椅子に腰掛けた。






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