77話 ページ34
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「えーっと…あ、そこ左」
「はあ！？ちょ、もっと早く言ってください！」
急に出されたその指示に、もちろん俺はそのまま道を直進。
そらるさんはあーあ、と大して困ってもないような声で嘆いて、それからチラリと俺を見た。
「ごめんね案内下手で」
「ほんっとにな！とりあえずそこのコンビニ入ってUターンします」
「あっじゃあ俺コンビニでコーヒー買ってきたい」
「はああ？」
どこまでもマイペースなそらるさんに、今までとの印象がガラリと変わっていく。
「いいですけど…」
──物静かで、男らしいというよりかは中性的。
大人っぽくてどこかミステリアスで、クールな人なんだろうと思ってた。
「やった。じゃあ送ってもらったお礼にらすくにもコーヒー買ったげるね」
そんな風に言って無邪気に微笑むそらるさんは、とてもじゃないけど『大人っぽい』とはかけ離れている気がする。
そのせいか緊張は完璧にほぐれてきていて、俺は呆れを込めたため息を零した。
「そらるさんって思ってたのと違いますねってよく言われません？別に悪い意味じゃないんですけど」
「ええ？……そんなことないと思うけどなぁ？何、なんか違った？」
ぱちぱちと瞬きを繰り返しながら、そらるさんが俺を見て首を傾げる。
「だいぶ印象違います。もっと落ち着いた…いや、落ち着いてはいるんですけど、もっとしっかりした大人の男の人だと思ってました」
途端に顔をしかめるそらるさん。
えー、と不満げな声をあげて、それから俺を見て呟いた。
「俺ちゃんと大人の男なんだけどなあ？…てゆーからすくは大人っぽいよね」
「それはどうも…？なんか初めて会ったときも似たようなこと言ってましたよね。落ち着いてるとか何とか」
別に大人っぽいつもりなんてないけれど…落ち着いてる、のはただ単にはしゃぐのが苦手だからだと思うし。
そらるさんは小さく笑って頷いた。
「まふまふより年下に見えないって話だろ？言った言った」
お喋りはしながら、空いていたコンビニの駐車場に車を入れる俺。
エンジンを切って、それからドアを開ける。
「わざわざごめんね」
「本当にそう思ってる人は、コンビニでコーヒー買いたいなんて言い出しませんよ」
全くごめんとも思ってないような声色で謝ってくるそらるさんに、思いっきり皮肉をこめて返す。
当の本人は少しも気にしない様子で、子どもみたいに笑ってわざとらしく首を傾げてきた。
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暁☆(プロフ) - めぞぴあのさん» コメントありがとうございます！頑張って更新します✨️ (7月13日 0時) (
レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
めぞぴあの(プロフ) - ハマりました！続き楽しみです！ (6月29日 21時) (レス) id: 269b094ab0 (このIDを非表示/違反報告)
月 - あの。はい。無事に沼りました。更新、ありがとうございます！ (6月25日 20時) (レス) @page50 id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます！大手歌い手さんも魅力いっぱいなので、ぜひぜひこの機会に沼にハマっちゃってください〜！ 私の話がきっかけになってくださればとても嬉しいです！ (6月21日 15時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
月 - うわー…。文章力すごすぎません？ これから読んでこの界隈はまりそうです。irisとかはずっと好きなんですけど、大手歌い手さんには手を出してなかったんです。更新、無理のない範囲で頑張ってください！ (6月20日 3時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2020年5月6日 22時
