76話 ページ33
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──偶然って本当にあるんだなー、なんて呑気な頭で考える。
仕事終わり、そろそろ冷蔵庫の中身を補充しておこうと寄った、会社近くのスーパー。
インスタントラーメンのコーナーで、見覚えのあるふわふわの黒髪を見つけてしまったのだ。
こっそり立ち去ろうとしたその矢先、黒髪の彼が声をあげる。
「あれ、らすく？」
あああなんで声かけんだよ、と酷い悪態をつきながら、俺はそっと振り向いた。
まっすぐ俺を見てくる黒髪美人──…そらるさんと、ばっちり目が合う。
マスクで顔は半分隠れているけれど、それでもわかる相変わらずの美人さんだ。
「すごい偶然だね。買い物？」
とてとてと俺の方へ寄ってくるそらるさん。…何か意外だ。
そらるさん、俺のこと見かけても声かけないと思ってた。
だって俺ら、別に仲良いわけじゃないし。
あの焼肉の日にまふくんちで1度会ったっきりだし。
…それにそらるさんって、どちらかというとクールなイメージだ。
坂田とかセンラくん辺りなら、そんなに仲良くない顔見知りさんにも元気よく声かけるんだろうけど……どうしてもそらるさんはそんなキャラには見えない。
「えっと、はい。さっき会社出たばっかで」
「へえ。社畜大変だねぇ」
俺は毎日引きこもってるからなぁ、なんて言って笑うそらるさん。
そらるさんくらいの人気なら歌い手1本でも余裕で生きていけるんだろうけど、俺にはとても無理そうだ。
「てゆーかそらるさん、この辺りに住んでるんですか？」
「ああうん。らすくもなの？」
「いや、ここは会社に近いってだけです。家はもうちょっと距離あります」
どうやらそらるさんのお家は俺の働く会社と近いらしい。
そらるさんといいnqrseといい、案外俺の行動圏内に歌い手さんはたくさん住んでいる。
「そっか」
何買うの？と聞いてくるそらるさんに、今からレジですと伝えると、俺も、と返された。
何故か一緒にレジの方まで行ってお会計して、それから2人してビニール袋を片手にスーパーを出る。
店を出たところでちょっぴり迷って、俺はそらるさんに声をかけた。
「俺車なんで、良かったら家まで送りましょうか？」
そらるさんが、その眠たげな瞳をゆっくり瞬く。
小さく笑った彼が、こくんと頷いた。
「じゃあお言葉に甘えて。お願いします」
「はい。道案内は任せますからね」
「えー、上手く説明出来るかなぁ？」
──思ってたよりそらるさんって子どもっぽいかもしれない。
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暁☆(プロフ) - めぞぴあのさん» コメントありがとうございます！頑張って更新します✨️ (7月13日 0時) (
レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
めぞぴあの(プロフ) - ハマりました！続き楽しみです！ (6月29日 21時) (レス) id: 269b094ab0 (このIDを非表示/違反報告)
月 - あの。はい。無事に沼りました。更新、ありがとうございます！ (6月25日 20時) (レス) @page50 id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます！大手歌い手さんも魅力いっぱいなので、ぜひぜひこの機会に沼にハマっちゃってください〜！ 私の話がきっかけになってくださればとても嬉しいです！ (6月21日 15時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
月 - うわー…。文章力すごすぎません？ これから読んでこの界隈はまりそうです。irisとかはずっと好きなんですけど、大手歌い手さんには手を出してなかったんです。更新、無理のない範囲で頑張ってください！ (6月20日 3時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2020年5月6日 22時
