74話 ~mob side~ ページ31
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──うちの会社には、とんでもなくイケメンな先輩がいる。
それが私の教育係にもなっている、来栖A先輩だ。
まだ入社して1ヶ月の私でもわかるくらい、来栖先輩は女性社員に人気。
…いや、課長も来栖先輩のこと気に入ってるし、女性だけにモテているわけでもないけれど。
「あの、さっきはすみませんでした。ありがとうございます」
車に大切な資料を忘れるという盛大なミスを犯した私は、会社へ戻るため車を運転する来栖先輩に小さく頭を下げる。
今日もスーツを完璧に着こなした彼は、私を見て柔らかく微笑んだ。
「まだ仕事慣れないだろうしな、しょうがないよ。でももう次はフォローしないから」
──顔良し、性格良し、仕事だって完璧。
飲み会にあんまり参加しなかったりお昼休憩は1人が多かったり、そーゆうクールなところも人気、らしい。
私たちの所属する部署だけでなく他部署の人からも人気なのが、来栖先輩のすごいところだ。
「それと、今日みたいにやらかしたって思ったときは絶対黙らないこと。今回は俺がいたけど、1人のときは自分でどうにかしなきゃなんないんだからな」
いつもはあまり怒らない来栖先輩の厳しい言葉に頷き、それから思わずうつむく。
こんなミスばかりの後輩の教育係なんて、来栖先輩も嫌だろうな。
「本当にすみませんでした…」
もう一度謝ると、来栖先輩は困ったように笑った。
クール、って言葉は何かあんまり笑わないっていうイメージがあるけれど、来栖先輩は割とよく笑う。
「別に謝ってほしいわけじゃねえから。次は気をつけろよ」
「っ、はいっ」
…教育係がこの人で良かった。
優しくてかっこよくて、──それから。
「…来栖先輩って歌い手って知ってます？」
──私の好きな歌い手さんに、声がそっくりなのだ。
らすく。くん──…通称らすくんっていう歌い手さんに。
へ、と来栖先輩が珍しく間の抜けた声をあげた。
「急にどうしたの？」
戸惑った声。そりゃそうだよね。いくら何でも急すぎた。
「あっえと、知らないならいいんです！ちょっと来栖先輩に似た歌い手さんがいるというか、それだけなので」
確かに声は似ているけれど、来栖先輩よりらすくんの方が気だるげなイメージ。
来栖先輩はいつもしゃんとしてるから。
「…そうなんだ」
興味なさげに呟いた来栖先輩が、ハンドルを右にきる。
…振る話題間違ったかな。
でもまだ会社まで距離あるし沈黙は気まずいし…！
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暁☆(プロフ) - めぞぴあのさん» コメントありがとうございます！頑張って更新します✨️ (7月13日 0時) (
レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
めぞぴあの(プロフ) - ハマりました！続き楽しみです！ (6月29日 21時) (レス) id: 269b094ab0 (このIDを非表示/違反報告)
月 - あの。はい。無事に沼りました。更新、ありがとうございます！ (6月25日 20時) (レス) @page50 id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます！大手歌い手さんも魅力いっぱいなので、ぜひぜひこの機会に沼にハマっちゃってください〜！ 私の話がきっかけになってくださればとても嬉しいです！ (6月21日 15時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
月 - うわー…。文章力すごすぎません？ これから読んでこの界隈はまりそうです。irisとかはずっと好きなんですけど、大手歌い手さんには手を出してなかったんです。更新、無理のない範囲で頑張ってください！ (6月20日 3時) (レス) id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2020年5月6日 22時
