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第46幕 幸せな夢 ページ47

再び黙り込んだ御門に、Aは言う。

「御門。あなた達・・・・がっ・・・・!?」

瞬間、一際大きな痛みがAを襲った。

頭が割れるような痛みだ。

「う・・・・あ・・・・・」

Aは半歩後ろに下がって、痛みに耐える。

身体はガタガタと震えて言う事を聞かない。

苦しい・・・・誰か助けて・・・・・・。

そう願うも、助けに来てほしい人達が今や遠くに行ってしまったという現実が突き刺さるだけ。

ピキリと、楽しかった思い出に、心に、ヒビが入る。

すると、余計に痛みが鋭くなった。

「A様・・・!?」

御門が立ち上がって、慌ててAの身体を支える。

紫京と朔夜も少し遅れて立ち上がり、Aに駆け寄った。

「・・っ・・・!!朔夜!!」

御門が珍しく声を荒げる。

すると、朔夜は「分かっています!!」と返事をしながらAの正面に立った。

そっと彼女の頬に触れる。

「A様、落ち着いてください。どうされました?」

「うぐっ・・・あ・・・・・頭が・・・・・」

朔夜はハッとしたように御門を振り返る。

「御門様・・・・・これって・・・・・・・」

御門はふむ、と眉をひそめた。

「・・・ついに来ましたか・・・間近で見るのは初めてですが・・・恐らく・・・」

御門の言葉の節々には、嬉々としたものが混じっている。

これは、かぐや族にとって何よりも喜ぶべき瞬間だった。

「・・・・・・・」

そう、全ての真実を知っている紫京以外にとっては。

A様・・・まさか・・・あなたまで・・・・・・。

紫京の表情は変わらなかったが、心中は決して穏やかでは無かった。

そんな紫京とは反対に、朔夜は穏やかな声でAに語りかける。

「A様、怖がらないで下さい。大丈夫ですよ・・・・・。本物のかぐや姫になった後、

 紅桜はあなたの意識が完全に消えるまでは、あなたに幸せな夢を見せてくれるのですから」

「幸せな・・・夢・・・?」

ボンヤリとしか聞こえない声の中で、その言葉だけがAの耳にしっかりと届く。

朔夜はにっこりと微笑んだ。

「はい。A様が望む世界の夢を」

「私・・が望む・・・私が・・・望んだ・・・」

「だから・・・・目を閉じて下さい」

この時、全てをちゃんと聞き取れていたら、どんなに良かったろう。

きっと、Aは負けなかったはずだ。

だが、彼女は聞き逃した。

Aはゆっくりと、目と共に、意識を閉ざしていった。

第47幕 私の望む世界 (主人公サイド)→←第45幕 主 (紫京サイド)



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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なーさん(プロフ) - テスト頑張ってください!! (2014年11月16日 18時) (レス) id: d351fb8f9b (このIDを非表示/違反報告)
List(プロフ) - 頑張ってください!!いい結果待ってます!!^^ (2014年11月16日 18時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
声優志望の塊 - テスト頑張って下さい!!私も期末テストがァァァ…(汗)お互い頑張りましょう!! (2014年11月16日 16時) (レス) id: 6657ffd95b (このIDを非表示/違反報告)
リア - アニさん» 春雨は一応出てくる予定です!!メインではないので、申し訳程度ですが・・・・・。楽しみにしていてください!! (2014年11月16日 14時) (レス) id: d14a04e072 (このIDを非表示/違反報告)
アニ - 御返事ありがとうございます!紫京登場しましたけど、春雨がでてくるのでしょうか?p (2014年11月9日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年9月18日 20時

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