第31幕 どうせ、俺にお前は斬れないから ページ32
「ねぇ待ってよ総悟。本気なの?やめようよ」
何となく流されて向き合いはしたものの、
Aは気乗りしないとばかりに、そんな言葉を繰り返した。
元々Aは、むやみやたらに刀を抜くのは好きではない。
せめて竹刀であったなら考えただろうが、真剣となるとやはり遠慮したいと思っていた。
しかも、相手は一番隊隊長・沖田総悟。
味方としては心強いが、とても敵として相手はしたくないタイプだ。
総悟に本気で向かってこられたら、Aだって本気にならざるを得ない。
あまりに熱が入り過ぎて、どちらかが怪我をする事だって十分に在り得た。
Aは渋い表情をしながら、総悟を何とか説得しようと試みる。
「・・・土方さんにバレたら、怒られるよ?」
これは、中々効果的な意見だ。
だが、総悟はその言葉を予想していたかのように、得意げに笑った。
「大丈夫でさァ。土方さんは、御上から呼び出し食らって今いねェから」
「呼び出し・・・・」
何というタイミングで、重要な呼び出しを食らったものだろうか。
Aは頼みの綱を切られたような気分になる。
後、総悟を止められるとしたら近藤だが、彼はあまりあてになるとは思えない。
止める所か、かえって面白がって手合せを進めてきそうだ。
総悟は鞘から刀を抜くと、中断辺りで構えをとった。
「ほら、A。こんな機会は二度とありやせんぜ。鬼の居ぬ間になんとやら、でさァ」
「・・・・・洗濯、ね」
土方に聞かれたらとんでもない事になりそうだ。
「・・・・・」
Aは散々迷った末、やがて刀を鞘から引き抜いた。
散々逃げようとしながらも、やはりAも総悟との手合せには興味があったのだ。
強者が強者を求めるのは、言ってみれば当然の事。
それを表に出すか出さないかは、人それぞれだが。
強さの上に、更に強さを求めていく。
そうでなければ、彼女は・・・もちろん他の者達も、ここまで来れなかったはずだ。
「少しだけ・・・・少しだけだからね!!一分とか、それ位」
Aの言葉に、総悟は『待ってました』とばかりに笑みを深くする。
「まァ、一分もありゃ勝負つけてやりまさァ」
「・・・そんな挑発には乗らないからね」
「そりゃ残念」
じりっと相手の出を待つ。
そして・・・・・・。
「勝負!!」
二人は一斉に飛び出した。
総悟に斬りかかるのは初めてではないと、Aは知らないまま。
166人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なーさん(プロフ) - テスト頑張ってください!! (2014年11月16日 18時) (レス) id: d351fb8f9b (このIDを非表示/違反報告)
List(プロフ) - 頑張ってください!!いい結果待ってます!!^^ (2014年11月16日 18時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
声優志望の塊 - テスト頑張って下さい!!私も期末テストがァァァ…(汗)お互い頑張りましょう!! (2014年11月16日 16時) (レス) id: 6657ffd95b (このIDを非表示/違反報告)
リア - アニさん» 春雨は一応出てくる予定です!!メインではないので、申し訳程度ですが・・・・・。楽しみにしていてください!! (2014年11月16日 14時) (レス) id: d14a04e072 (このIDを非表示/違反報告)
アニ - 御返事ありがとうございます!紫京登場しましたけど、春雨がでてくるのでしょうか?p (2014年11月9日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リア | 作成日時:2014年9月18日 20時