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第15幕 優しい嘘 ページ16

「・・・これは・・・・」

大通り。

そこには、普段のかぶき町からは想像できない光景が広がっていた。

響き渡る怒号。

響き渡る悲鳴。

至る所に飛び散った血。

斬られても物ともせずに立ち上がる『辻斬り』。

そうした中、駆けつけた銀時達に一人の人物が駆け寄ってきた。

「銀時!!」

「!!・・・ヅラ!!てめーもいたのか!!」

桂は荒い息をしながら、銀時のそばで立ち止まる。

「来てくれて助かった。状況は芳しくない。・・・百華からは、いくらか死人が出ている」

「・・・・・・!!」

背後で、月詠がギリッと歯を食いしばる音が聞こえた。

彼女は素早くクナイを引き抜くと、報告に来た者と一緒に瞬時に走り出す。

相当頭に血が上っている。

「ツッキー!!」

神楽の声にも、彼女は振り返らない。

仲間想いの彼女だからこそ、仲間を殺した奴らが許せないのだろう。

だが、感情に任せた行動は危険だ。

それをいち早く察した九兵衛は、滑らかな動作で刀を引き抜くと、神楽達に向かって言った。

「・・月詠殿の援護をする!!僕らも行くぞ!!」

「分かったネ!!」

「行きます!!」

九兵衛を先頭に、神楽と新八も走り出す。

新八は慌てて避難した攘夷志士が落としたと思われる刀を拾い上げて、戦火に飛び込んで行った。

いつの間に、あんなに勇敢になったのだろうか。

妙も、恐らく商品と思われる真新しい薙刀を持って、戦場に躍り出てきた。

「オイ、妙!!大丈夫なのか!?」

さすがに妙を戦わせるのは不安なのか、そう尋ねる銀時に、妙は堂々と頷いて見せる。

「人を殺める・・そして殺められる覚悟で戦いに赴くのは初めてですけど、私負けませんから」

彼女はそう言うなり、皆の元へ駆けて行った。

その場に残っているのは、銀時、桂、A。

銀時は、Aの方を振り返ると、念を押すように言う。

「お前、今は戦えないだろ?・・だから、絶対ここから動くなよ」

「で・・でも・・・・」

戸惑うAに対して、銀時はニッと笑いかけた。

「安心しろよ。心配しなくても、あの阿婆擦れ共が全部片付けてくれっからよ」

「・・・・・」

先程、百華は誰一人倒せていないと言っていた。

Aは銀時の優しい嘘に騙された振りをして、小さく頷いた。

今自分が行っても足手まといな事は、重々承知していた。

「・・・・何なんだろうな・・・・私・・・」

戦いの音が響く中、Aは一人そう呟いた。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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なーさん(プロフ) - テスト頑張ってください!! (2014年11月16日 18時) (レス) id: d351fb8f9b (このIDを非表示/違反報告)
List(プロフ) - 頑張ってください!!いい結果待ってます!!^^ (2014年11月16日 18時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
声優志望の塊 - テスト頑張って下さい!!私も期末テストがァァァ…(汗)お互い頑張りましょう!! (2014年11月16日 16時) (レス) id: 6657ffd95b (このIDを非表示/違反報告)
リア - アニさん» 春雨は一応出てくる予定です!!メインではないので、申し訳程度ですが・・・・・。楽しみにしていてください!! (2014年11月16日 14時) (レス) id: d14a04e072 (このIDを非表示/違反報告)
アニ - 御返事ありがとうございます!紫京登場しましたけど、春雨がでてくるのでしょうか?p (2014年11月9日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年9月18日 20時

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