五十三 ~過去~ ページ6
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芥「…大丈夫か?」
「はい…っ」
まだ震える体を、止めようとしても止まらない。
震える手を、芥川さんが握ってくれる。
少し冷たい手だけど、心がホッとする。
芥「…冷たくして、悪かったな」
「っ、いえ…」
芥川さんは悲しそうな目で謝ってきた。
全然大丈夫です。
芥川さんを分かってあげられなかった私が無責任だった。
でも____だめだ。
震えなんて止まんないよ。
そのくらい、あの人が憎くて、怒りや憎悪、真緒達がいなくなった悲しみで埋め尽くされる。
組合とポートマフィアが手を組む…。
もう嫌だ。
憎い組合何かと手を組みたくない。
真緒達を裏切ったことになる。
それに、また会ってしまったら、攻撃してしまうだろう。
そうなったら、ポートマフィアのみんなに迷惑だ。
それなら…っ私は____
芥「…っA、お前は組合には渡さぬ。何処にも行っては駄目だ。
これからも僕と行動しろ。ずっと、此処にいろ。
Aまで、失いたくない…っ」
「っ…!?」
まるで、私がこれからやろうとしていることを察したかのように、此処にいろ、と言ってきた。
最後の言葉は聞こえなかったけど、凄く辛そうな顔をしている。
そして、私を優しく抱き寄せた。
驚いて、声も出ないし、体も固まる。
そして、顔がとても熱い。
こんな事されたのは、人生で初めてだし…。
「あっ、あの…っ…!わ、わわ私っ、」
芥「…お前の考えることが、僕に分からぬと思うか?
…駄目だ。僕は___っ」
段々、私を抱きしめる力が強くなっていく。
___でも、やっぱり駄目なんです。
芥川さん風に言うと、これが私の業。
真緒達を殺したのは私と言ってもいい。
手を伸ばせば、私を守ろうとする背中を押しのけられたかもしれない。
足が動けば、私が真緒達の盾になれたかもしれない。
それなのに、私は何も出来ずに、冷たくなっていくその手を握って涙を流すだけ。
真緒達を殺した人と組むのは、真緒達を裏切ることになる。
それは絶対に嫌だ。
中「うおっ!手前ェら何して…!」
「中也幹部…!?」
立「…大胆っすね」
銀「っ…」
広「若いな」
紅「若いのお」
森「うん、若い」
芥「っ!いや…これは…」
私と芥川さんは、みんなに言い寄られる。
ポートマフィアには居られない。
でも、みんなとは離れたくない。
何処にいても、絶対、みんなを守るんだ。
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栗ようかん(プロフ) - 教えてくれてありがとうございます!直しておきました!すみません! (2016年11月2日 16時) (レス) id: 23c3ce90d4 (このIDを非表示/違反報告)
坂田葵(プロフ) - 梶原ではなくて梶井だお(^o^)/ (2016年10月31日 21時) (レス) id: 47bd2bc314 (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 疑問に思ったのですが、梶原ではなく梶井では? (2016年10月31日 20時) (レス) id: dee2e58ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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