106話 ページ10
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「久作君、お仕事の説明、していい?」
「良いよ〜」
二人で甘味を食べている久作とA
二人は電車が来る時刻が来るまで、喫茶店で甘味を食べて待っていた待っていた
「まず、駅に行って私達は一緒に電車を乗る」
「うんうん」
「そしたら、途中で数秒電車が止まる」
「うんうん」
「その時に電車の一番後ろから二人の女性が入ってくる。その二人の写真は見た?」
「見たよ!」
明らかに会話が少し幼いが、Aも座敷牢に入れられていた子供の対応なんてわからない
だから幼い子を相手する様な口調で話しているが、それで正解だった様だ
「その二人にぶつかって声をかける。で、その後ろから私が声をかけて、如何にも駅で知り合いましたみたいな雰囲気を出す。私はその二人とは知り合いだから、適当に目的地まで話す」
「うん」
「で、二人の目的地の駅に着いたら、この少年にぶつかる」
Aは敦の写真を見せる
罪悪感はあるが、マフィアに来たのは自分だ、と割り切る
「そこで異能を使う」
「はい!質問!」
「如何したの?」
「女の人二人には異能を使わないの?」
「少年の方が力強いからそっちの方が早いからだよ。それに、電車の中で騒ぎ起こして通報は少しあれだから。せっかくだし戦力削ろうってことで少年の心を折って事務員さんを殺す。太宰さんは樋口さんと銀さん……だったかな、多分その二人が足止めしてくれる手筈になってるから思い切ってやっていい」
「成る程!!」
「で、久作はお仕事が終わったら私とまた電車に乗ってそのまま探偵社とはさようなら。私はすることがあるから、適当にビルに帰ってね」
「判った!」
喫茶店でする様な話ではないが、二人は楽しく話している兄妹としか思われていない
「じゃあ、もうそろそろ駅に行きたいし、早く食べよっか」
「うん!あ、お姉さんのも一口欲しい!」
「良いよ。はい、あーん」
「美味しい!!」
二人は甘味を食べ終え、準備をして駅に向かった
一方その頃、旧晩香堂の人達はマフィアの目的を聞いていた
どうやらマフィアは探偵社と組合どちらにも情報を渡し、そして餌で釣り、事務員のところに組合を誘き寄せ、勝手に潰しあってくれ、という作戦みたいだ
「まだ、何か隠してない?」
用事を済ませた中也は帰ろうとしたが、乱歩はそれを許さなかった
乱歩がまだ彼が何かを隠していると確信したからだ
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