23話 ページ24
数日後の昼
「A、私の漬け物やる。」
「え、あー、ありがとう。いや、でもあのさー…」
「な!!じゃあ、俺も米やる!」
「いやごめんそんなには要らない。」
「え」
というかさっきからなんなんだ、この状況は。
私は何故か今六年い組の2人と一緒にお昼ご飯を食べている…。
というか今日に限らずあれから六年生の人たちはこの間の件のお詫びといわんばかりに私の手助けをしてくれる。
このお昼ご飯を一緒に食べているのだってただ一緒にいるだけでは無く食堂で私のことを睨んだり嫌がらせじみたことをしようとしてくる人を追い払う為にいるのだ。
気にかけてくれるのはありがたい。実際彼らがいなかったらこの前の二の舞になるのも時間の問題だったと思う。
だが正直この2人が両サイドにいるのもそれはそれで気が気じゃないしそこまで助けてもらうのはかえって申し訳ない気がしてくる。
どうしたものかと思いながらもお昼ご飯を食べすすめている奥の机に座っている私より少し歳上ぐらいの女の子と目が合ってしまった。
この学園にいるということは大抵の場合は私のことをよく思っていない人がほとんどなのでほぼ反射的に目を逸らしてしまった。
やばい、これはこれで感じ悪いか?
余計に嫌われてしまうかもしれない…。
奥の机からは「おばちゃん、ごちそうさまでしたー!」という元気な声が聞こえ徐々に足音が近づいてくる。
やばい、怒らせちゃったかな?と思いできるだけ目を合わせないようにご飯に集中しているフリをしながら通り過ぎてくれるのを待ったがその足音は無情にも私達が座っていた机の前程で止まった。
ああ、やっぱり怒らせちゃったか…。と思っていると頭上から想像とは180度違う先程と同じ明るくて優しそうな声が聞こえてきた。
「潮江くん、立花くん、こんにちは。…それと、君は見たことない顔だね…新しいくのたまとか?」
驚き思わず顔を上げるとそこには声通りの優しそうな笑顔の女の子がいた。
「私、北石照代!よろしくね!」
「…ぁ…AA…です。」
「Aちゃんかぁ!!可愛い名前だね!」
「こんにちは、北石先生。…えっと、彼女は新しく事務のお手伝いに来てくださった方で。」
「なるほどね!私はね、忍術学園で教育実習受けたことあって今でもたまに来てるんだ!」
「な、なるほど…。よろしくお願いします!」
すごく優しい人…優しすぎて逆に怪しいけど…他意は感じないし本当に私が天女だって知らないのだろう。
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あい(プロフ) - これ面白いです!! 夢主ちゃん可愛い♡ 続き待ってます (2022年4月12日 8時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴松 | 作成日時:2022年2月14日 0時