涙 ページ48
私は目の前にいる人物＿＿＿＿トレイ先輩を見て、目をぱちくりさせる。
『な、なんでこんなところに』
「それはこっちの台詞だ。何か物音がするから、エースとかがまた悪戯でもしようとしてるのかと思ったら…。今日かなり話題になった、Aだなんて」
『わ、話題になってるんですか私』
「まぁ、あれだけ不思議なことが起きればな…」
トレイ先輩の様子だと、今日の事件は学園中に広まっているみたいだ。
…まただ。
『…なんでこう私って、目立っちゃうんだろう』
「はは、君は目立つことが苦手なんだな」
『苦手というか、大嫌いというか…。目立つことは嫌なんです、それが例え良いことでも』
「褒められたり賞をもらったりすることも、か？」
『はい…。』
…だって褒められると、その時はいいとしてもあとから疎まれるかもしれないから。
少なくとも私は、その現実を知っている。
先輩は私の暗い表情を察したのか、それ以上追及してくることはなかった。
そのかわり、今日の事件について訊く。
「今日大丈夫だったのか？グレートセブンの石像から黒い霧が出たって聞いたんだが」
『身体自体は大丈夫なんですけど…。そのときのことを思い出すと怖くて寝れなくて。
霧が出た原因もわかってないから、余計に不安なんです。怖い夢みちゃいそう、なんて』
おどけるように言ってみせたのだけど、少し手が震えた。いや、少しどころかだいぶ。
「A…本当に大丈夫か？手、震えて…」
『あ、あはは、やだなぁ。こんなことで怖がっちゃうなんて、ホント…恥ずかしい…』
ひきつる顔を背けた瞬間、グイッと引き寄せられる感覚がした。
そう、抱きしめられるような。
…私は先輩に抱きしめられていた。
『と、トレイせんぱ…』
「こんなことなんて言うな。無理に怖いのを隠さなくてもいい。
…怖いのによく頑張ったな」
『っ…』
抱きしめられてるなんて考えるだけでも恥ずかしいのに、不安が溶けていくように消えていく。
『ううっ…』
…めちゃくちゃ怖かった。
私は涙をこられきれなくなって、先輩の腕の中で泣いた。涙がなくなるまで。
先輩はそんな私の背中を優しく撫でてくれていた。
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シャーペンの芯(プロフ) - うみねこさん» うみねこさぁぁん！！お久しぶりです！！読んでくれてありがとうッ！嬉しすぎて灰になりました（） (2021年4月7日 17時) (
レス) id: 402419b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
うみねこ(プロフ) - とてもとてもとてもとてもお久しぶり…浮上できてなかった…全部読んだらめちゃめちゃ文才の塊もうすき… (2021年4月7日 15時) (レス) id: 55d88c0b4f (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» そうですよ当たり前ですよ(？)(訳:好きだなんて嬉しいぃぃぃ！！ありがとうございます！！I☆E☆A☆) (2021年4月6日 18時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 徹夜って当たり前だよね(？) だって!!寝れないんだよ!!(言い訳 ｱｯﾄﾞｳﾓｫ。この作品好きなので現在ある所まで見て更新待つ事にします。 I☆E☆A☆(イエア)ｱｯ…ｲｳｺﾄﾅｲ……｡← (2021年4月6日 18時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 桜あやや@べりらわさん» コメントありがと〜！あややちゃんもツイステ好きだったんだ！私はね〜、「絶対この人！！！」っていう推しはいないよwなんか定まんなくてw (2021年2月23日 12時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャーペンの芯 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syapennosin/
作成日時：2020年12月11日 17時
