fifty-fifty_△ ページ41
飛貴 side
休演日の、朝というには遅い午前中、クリスマスを共に過ごした最愛の彼女を胸に抱きながら目が覚める。
今日はマネージャーさんの計らいで美緒ちゃんのドラマ撮影もない完璧なオフとなっている。
起きている時の顔も犯罪級に可愛い彼女の寝顔は、この世のものとは信じられないくらいのかわいさを誇っている。
美「ん......、ひだか」
浮「あ、起きた？」
まだまだ彼女の寝顔を見ていたい気持ちもあるが、最近不足しているコミュニケーションを取りたい俺は呼びかけに応じた。
美「いまなんじ？」
浮「まだ11時だよ」
美「ん......」
寝起きの美緒ちゃんは話している言葉が全てひらがなでかわいさが倍増している。
浮「朝ごはん、どうする？」
美「あさごはん......あっ！ヤバい！撮影は！？」
美緒ちゃんは俺の腕の中からガバッと抜け出して、ベッド際に立つ。
浮「今日はオフだよ」
美「え？......あ、そっか」
美緒ちゃんはスマホで日付を確認すると、俺の腕の中に戻ってきて、スマホをチェックしだした。
いくつかのアプリをチェックし終えて、そのアプリのトレンド欄をみていると、気になる文言があった。
浮「美緒ちゃん、これ」
トレンド20位、津田美緒本命
美緒ちゃんは恐る恐るそこをタップする。
そこには美緒ちゃんの一部が写る写真が載せられていた。
皮肉なことに、その男性との交際は暴露アカウントによって否定され炎上は早々に鎮火されていた。
美「飛貴、ごめん」
浮「大丈夫だよ。今、俺の横にいる美緒ちゃんが本物って知ってるから」
これは本心と見栄が半々の言葉だった。
美緒ちゃんはそれに気づいてか、俺を抱き締めながら額にキスをした。
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作者名：m9 | 作成日時：2022年3月2日 17時
