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樹 side
病室を出ると、高地がすぐに口を開いた。
高「ちょっと、俺と大我からお前ら4人に話したいことあんだけど」
そう言う表情は今までにないくらい真剣で、俺は何も言葉を発せなかった。
ｼﾞｪ「じゃあ、個室のある店でも行く？」
森「そうだな」
こんな時にも発言できる2人はさすがだ。
俺らはマネージャーの運転する車で、ジェシーがよく行くという居酒屋に向かった。
俺らは個室に通されて各々注文を入れてからできる限りいつも通り過ごしているが、高地ときょもの顔を伺っていた。
少し酒も回ってきたところで、高地が口を開いた。
高「俺ら、聞いちゃったんだよ。真緒がいつも個人練習で使ってる小さいレッスン室でジャニーさんと真緒が2人で話してるとこ」
俺がきょもに視線を送ると、きょもも頷いて話し出した。
京「真緒が、いつまでアイドルでいていいの？って、辞めたいわけではないけど一般的に25くらいで女性アイドルは辞めるし、終わりが見えないのが怖いって、で、ジャニーさんが辞めたくなったら僕に言って、僕の説得を聞いてもその決断が揺らがなかったら、真緒のなりたい津田真緒になりなよって」
俺ら4人は息を飲んだ。
俺らはここがスタートって思ってるけど、真緒はゴールを探してる。
ジャニーさんがいれば、ゴール前で1回立ち止まってこちらを振り向いて戻ってきてくれるかもしれない。
けど、もし、ジャニーさんがいなくなったら？
真緒はそのまま前だけをみてゴールテープを切ってしまうんじゃないか。
ｼﾞｪ「そんなの俺らが説得すれば良いんじゃねぇの？」
松「いや、そもそもよ。その説得の機会さえ与えられなかったら？俺らに黙っていきなり公表されたら？」
北斗の発言で6人ともおし黙る。
こんな時にロクな案が浮かんでこない自分に腹が立つ。
森「じゃあさ、もう言っちゃえば？」
そう大胆な発言をした慎太郎のことを5人とも“バッ”と効果音が付きそうな勢いでみる。
田「確かに真緒には単刀直入に言った方が良さそうだよな」
ｼﾞｪ「単刀直入って何？」
松「遠回しな言い方をしないでズバって言う、みたいな」
ジェシー、今のこの空気でそれはやめてくれよ。
．
radio#012_■_反応→←それに対しての覚悟なら7年前から決めてる_■
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作者名：m9 | 作成日時：2021年5月17日 11時
