HiHiの紅一点と美 少年の紅一点は双子なんですっ!?#3

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優斗 side




別室に入って、そこにはもちろん俺ら6人だけ。

真緒の表情から何も読み取れなくて、なんとなくマイナスな事なのかなー、くらいしか俺にはわからない。



H「実はずっと隠してたんだけど、」



真緒が口を開くと、5人ともバッと効果音が付きそうな勢いで彼女を見た。



H「……私はずっと低容量ピルっていう薬を飲んでて、……今日もそれをもらいに病院に行ってて、みんなに迷惑かけた。今まで黙っててゴメン」



真緒の唐突なカミングアウトに一瞬、元々そこまで動く方ではない頭が全く働かなくなった。



高「女子サッカーの澤選手も飲んでたのだよね？」


H「そう」



これは、俺らに言うのすごい勇気が必要だったろうな。

日本でピルは性的なイメージしかなく、あまり良いイメージを抱(いだ)かれないことの方が多い。

俺も澤選手のことで始めて知ったし。



作「真緒ちゃん、教えてくれてありがとう」



作ちゃんがそう言って、真緒を抱きしめた。



猪「お嬢、そんな違法でもない薬の1つくらいでどうこう言う奴はここにいねぇよ。俺らのこと、もっと信じろ」


H「うん」



ガリさんの言葉に真緒が少し作ちゃんの胸から離れると、真緒の目元は少し赤かった。

泣いてたらしい。

そして、ガリさんとハグをした。



橋「俺らの関係ってそんなことで崩れると思ってたの？」


H「……」


橋「ねぇ、瑞稀」


井「……うん。俺らも何も気づいてやれなくてゴメン」


H「ううん」



真緒は2人に抱きついた。


また、俺だけ取り残されたな。



高「真緒」



俺がそう呼ぶと、少し微笑んで真緒は振り返った。



高「……俺らシンメだけど、まだまだ俺は頼りなくて、あんまり相談できないかもしんねーけど、出来る限りのこと……いや、それ以上にやってみせるから、もっと頼って」


H「優斗」


高「ん？」



真緒の目には涙が溜まっている。



H「優斗は頼りなくなんてないよ。今回のことは性別の違いもあって言えなかっただけ。これからはもっと相談するよ」


高「うん」



真緒が俺の胸に飛び込んできた。

いわゆるコアラ抱っこ状態になって、俺のおでこに真緒のおでこがくっつく。


この時の写真が、あの恐ろしいウィルスの期間中のガリさんのブログに載るとも知らずに、俺らはしばらくの間その体勢でいた。

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