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浮気.33 ページ33

蘭「マジでAだけだから、」
元々下がっている眉を

更に下げながら懇願するように言う
そんな彼を信じていいのか迷う

私だけだと何度も叫ぶ言葉を
受け入れていいのかわからなくなる

…最初に声をかけてきたのは蘭ちゃんだ
声をかけたという言い方は正しくないけど

咳が治まるまで傍にいて
カメラから守ってくれた

それから仕事帰りにご飯に誘ってくれたのも
休日のデートに誘ってくれたのも蘭ちゃんで

告白も同棲の提案も彼から
全部、全部彼からだ

浮気していたと思っていたのも
本当はしてなくて嫉妬して欲しかったからだ、って

蘭ちゃんはそう言ってた
私が出ていったあと必死に取り戻そうとしていたのを

ここ数週間ずっと見ていた
蘭ちゃんが1人の女の人にこんなに必死になるなんて

思ってもなかった
ましてやその女の人が私だなんて誰が思うのか

私だけに向けてくれる優しい笑顔が
私の為だけに用意してくれたデートのプランが

私だけの気を引こうとする会話内容も
その全部が好きだった

冷めたと思っていた気持ちに火がついて
また蘭ちゃんと過ごしたいって思ってる

貴「…私はずっと蘭ちゃんだけだよ…よそ見したことなんて1回もない」

蘭「A…」
彼が私に尽くしてくれた時間に偽りはない

全部本当のことで
全部が真実

でも同じように、
蘭ちゃんが浮気と疑われる行動をしたのも

私に銃を突きつけたのも事実
それは覆せないんだよ

貴「私…蘭ちゃんの帰りを…いつ帰ってくるか分からない貴方の帰りを、広い部屋で待つのはもうイヤ…」

蘭「絶対に毎日帰るから…!帰れねぇ日は連絡する!」
彼の指が私の頬に触れた

貴「仕事で女の人と関わるなら絶対教えて…」
蘭「約束する。しょうもねぇ顔合わせでも報告する」

零れた涙を拭い
震える息を落ち着けてくれる

貴「えっちの後にどこか行っちゃわないで…」
蘭「っあー…頑張る」

困らせようと思って言った言葉に
思った通りの反応をくれる

貴「…ちゃんと私の事だけ愛して」
蘭「それは勿論。今までもこれからも変わんねぇよ」

ハッキリと言い切る蘭ちゃんに
信じてもいいのかな、って

そんな気持ちになってくる
…信じたいよ

貴「……次は許さないからね…」
蘭「…っ!マジで…?今回、許してくれんの?」

彼の問いかけに小さく頷けば
ギューッと強い力で抱きしめられた

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るにゃネコ(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後仲直り出来て夢主ちゃん達が幸せそうで良かったです! (2022年5月10日 20時) (レス) @page35 id: 3476b03444 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - ATR214YSさん» 読んでいただきありがとうございました!そう言っていただけて嬉しいです…! (2022年5月10日 18時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした(泣) (2022年5月10日 0時) (レス) @page35 id: e2ec9bf6ff (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - えさん» ありがとうございます!頑張ります! (2022年5月6日 11時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
- 凄く大好きです…!更新楽しみにしております! (2022年5月6日 0時) (レス) @page33 id: f56a514e42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山口咲良 | 作成日時:2022年1月29日 14時

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