君が1番、とかふざけんな【灰谷蘭】

浮気.29 ページ29

蘭「…ぁ、こえ…！」
振り向いて直ぐに気がつく

そんな大きな声を出したら…
貴「ｹﾞﾎｯ…ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ、」

数回咳き込むA
蘭「大きな声出したらダメですよ」

貴「ごめ、呼ばなきゃって…ｺﾞﾎｯ、必死で」
吸入するまでじゃねぇけど…

喉が敏感なんだから気をつけろよ
…でも、俺を呼んでくれたのが嬉しくて

頬が緩みそうになる
…あー、俺ってクソ野郎だ

敬語も外れて
灰谷さん、なんて遠い呼び方じゃなくて

貴「意地張ってちゃダメだって思って、、きっとここまでされたら普通は好きになってるし…」

蘭「…それで呼び止めてくれたの？」
そう聞けば少し間を置いてこくり頷く

貴「冷たい態度ばかり取ってたら飽きられちゃうかな、って…」

蘭「…っ、」
可愛すぎかよ…

俺のせいでこうなってんだから
飽きるとかねぇのに…

サファイアみたいな瞳に俺が映る
付き合ったばかりの頃と同じ優しい瞳だ

貴「今日、蘭ちゃんが私の為だけに考えてくれたデートが嬉しかった…」

蘭「…っ！気付かれてたかぁ…」
だっせー…

カッコつけたかったのに
全部バレてんじゃん

それがきっかけなら結果的によかったけどさ…
貴「意地張っててごめん…」

蘭「Aが謝ることじゃねぇじゃん。俺が全部悪ぃのにさ…頑張ってよかった…」

思わず溜息をつく
貴「でもまだ付き合いたくはない…ごめん…」

蘭「…っ、うん…仕方ないよな。謝んないで」
普通に傷ついてんじゃん、俺

超だせー
そりゃあ直ぐに、はい付き合います

なんてならねぇよな
貴「…だけど今までよりちゃんと真剣に考える…」

蘭「じゃあ、もうちょっと頑張ってもいいって事？」
貴「…うん」

蘭「ありがとな。頑張るわ」
Aに早く蘭ちゃんと付き合いたいって言わせる

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