浮気.18 ページ18
蘭「だよなぁ…」
小さくなってく背中
交換してもらえると思ってなかった
絶対断られると思ってた
蘭「そう簡単に行かないわな…」
呟いて後を追う
ここで諦める訳にはいかない
直ぐに足を動かしてAを探す
この辺りは九井が担当してる区域だ
住んでる部屋もこの辺ってことだよな…
交差点に辿り着き
くるりと見回す
蘭「…ん？」
細い裏路地から男が出てきた
焦ってる様子だ
なんかヤバいもんでも見たか…？
俺らが仕切ってるとこ荒らされると困んだよな…
首領も怒るし…
少し覗いてみっか
そう思って足を運ぶ
近づくとｺﾞﾎｺﾞﾎ、って咳が聞こえてくる
蘭「A…？」
慌ててそこを覗くと
地面に座り込んで苦しそうに咳をするAの姿
必死にカバンを漁って吸入器を探している
パタリ、それが倒れるのと同時に
さっき俺が拾ったハンカチが零れた
貴「ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ…ら、んちゃ…、」
咳をしながらも俺の名前を呼ぶ
それだけで胸の奥がギュッと締め付けられた
蘭「ゆっくり吸って。落ち着け、大丈夫だから」
彼女の背中に手を添えて
カバンの中から吸入器を取り出すと
電源をつけて口元に寄せた
蘭「大丈夫、大丈夫。吸って…吐いて…そう、上手」
敬語も忘れてAの背を摩る
背中摩ったって、意味ないけど
でも安心するってAが言ってたから
蘭「ゆっくりでいいよ」
声をかけながらAに寄り添う
辛そうに息を吐く度に
噴霧された薬がゆらゆら揺れる
中に入ってる薬がなくなって
電源が落ちた頃にはAの呼吸も落ち着いていた
蘭「歩けそうですか？」
貴「…はい」
蘭「良かった」
立ち上がってAに手を差し出す
蘭「気をつけて帰ってください」
大通りまで連れて行くと手を離して笑いかける
あーあ…他人のフリ、辛いなぁ…
軽く頭を下げ来た方に歩き出す
もう1回連絡先聞こうと思ったけど
弱いとこに漬け込むのは
誠実じゃないと思ったから、辞めた
今日は諦めて帰ろ
明日また捕まえるから
貴「あのっ、！」
蘭「…っ！」
キュッと腕を掴まれ振り向く
貴「連絡先、教えてください…」
蘭「…っ、、喜んで」
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るにゃネコ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後仲直り出来て夢主ちゃん達が幸せそうで良かったです！ (2022年5月10日 20時) (
レス) @page35 id: 3476b03444 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - ATR214YSさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて嬉しいです…！ (2022年5月10日 18時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても素敵な作品でした(泣) (2022年5月10日 0時) (レス) @page35 id: e2ec9bf6ff (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - えさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年5月6日 11時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
え - 凄く大好きです…！更新楽しみにしております！ (2022年5月6日 0時) (レス) @page33 id: f56a514e42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山口咲良
| 作成日時：2022年1月29日 14時
