君が1番、とかふざけんな【灰谷蘭】

浮気.16 ページ16

貴「…それ、私に得ある？」
冷たく言われて心臓が凍るかと思った

蘭「ない、けど…ホント自分勝手だって分かってる。でもごめん。Aのこと諦められねぇから」

温度を感じないAの目
「お前が原因を作ったくせに」

そう言われているみたいだ
目を逸らしそうになるが、耐えた

貴「…わかった、でも恋人としてスタートする気はないから。他人から始めて」

蘭「……ん？」
イマイチ意味が理解できず首を傾げる

恋人としてスタートする気はない…？
頭の中で復唱するがやっぱり理解できない

貴「私は灰谷さんと違って好きじゃない人とは付き合わないから。知り合うところから始めるなら、いいよ」

蘭「ナンパから始めろってこと？」
こくん、頷くA

嘘だろ…
道のり長すぎだ…

貴「そう、連絡先交換するところからね。別に嫌ならやらなくていいから」

蘭「やる」
それ以外選択しないだろ？

何回でも好きになってもらうよ、俺のこと
蘭「絶対、また好きって言わせる」

その時は女チラつかせたりしねぇから
ちゃんと、Aのこと1番に考えるから

貴「…じゃあ、行くね」
そう言って背を向ける

小さくなってく細い背中が
やけに遠く感じた

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