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浮気.14 ページ14

貴「どちら様ですか?」
蘭「………は…?」

見つかることは分かってた
どれだけ九井さんに情報を消してもらっても

外を歩けば偶然鉢合わせる可能性がある
それも時間の問題だと思っていた

もし見つかっても知らないフリをするって
九井さんの家を出てから決めていた

「オーナーのお知り合いですよね?」
蘭「……えぇ」

彼は九井さんの指名で
私の教育を担当してくださってる方だ

オーナーというのは九井さんのこと
貴「すみません。もう戻るので失礼します」

そう言って会釈する
隣で焦っているのがわかる

そりゃあそうだよね
仮にもオーナーの同期だもん

蘭「お時間頂けますか」
貴「無理です」

「Aさん…!会社には僕から伝えておくので…」
貴「……わかりました」

そう言えば逃げるように会社の方へ向かっていく
貴「…私は話すことありませんけど」

蘭「ごめん。ホントごめん。浮気とかしてない、全部仕事なんだよ…信じられないよな、でもホントなんだ」

…そんな必死な顔しないでよ
また絆されそうになる

もう傷つきたくないんだよ
振り回されたくないの

その通りだよ
浮気じゃないとか言われても信じられない

貴「…もういいよ。よく考えたら浮気されて当たり前だよね。自分か何を望んでたのか分からないよ」

自分だけがいい、なんて欲張りなんだよ
そんなこと最初から許されなかったんだよ

蘭「何言って…」
貴「私ね、知ってるの」

彼の言葉を遮る
隠してたつもりかもしれないけど

ずっと気づいてた
ずっと前から知ってた

貴「私とのえっちの後、トイレで1人でシてること」
蘭「は、、」

満足させてあげられてないんだ、って
1人で泣いてたことも

貴方は知らないでしょ?
隠しごとは私の方が得意だったみたいで

理由も知ってる、分かってる
私が喘息だから

咳をしないように、って
私のペースに合わせてゆっくりして

満足できるわけないよね
ごめんね

貴「灰谷さんが浮気したのも、私の所為だよね。今まで縛っててごめんなさい」

蘭「待てよ…」
震えた声が私を止めようとする

でも止まらない
言葉が溢れて止まらない

貴「もう私は貴方の彼女じゃないから。満足させてくれる女の子と遊んでいいんだよ。私なんか…」

蘭「待てってっ!」
今まで聞いたことがないくらい

大きく張り上げられた声が
私の鼓膜を突き刺した

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るにゃネコ(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後仲直り出来て夢主ちゃん達が幸せそうで良かったです! (2022年5月10日 20時) (レス) @page35 id: 3476b03444 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - ATR214YSさん» 読んでいただきありがとうございました!そう言っていただけて嬉しいです…! (2022年5月10日 18時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした(泣) (2022年5月10日 0時) (レス) @page35 id: e2ec9bf6ff (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - えさん» ありがとうございます!頑張ります! (2022年5月6日 11時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
- 凄く大好きです…!更新楽しみにしております! (2022年5月6日 0時) (レス) @page33 id: f56a514e42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山口咲良 | 作成日時:2022年1月29日 14時

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