PAGES 3-いつか晴れ渡る空の下で- (ページ25)

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117話患者さんページ25

なんでこんなに曖昧な返しをするかって？

それは、いま亜嵐が付きっきりの患者さんは、

末期の白血病で、いかに苦しむ事無く天国にいけるかっていう状態なんだ。

つまり、もう治すことができない患者さん。

言い方がきついかも知れないけど、

亜嵐がAに会うことが出来るようになるという事はその患者さんは天国に行ってしまったという意味になる。

だからもうすぐ会えるよなんか言えない。

だからと言って、本当のことをAにいうのは酷すぎるし、

しかもAと同じ病気だから余計に恐怖を与えちゃうから、今は曖昧な答えしか出すことが出来ない。

でも、こういう曖昧なものが精神が不安定になっているAにとっては辛いことなんだよな。。

そう考えているうちにAは泣きながら眠りについてしまった。

岩「ごめんな。。ゆっくり寝ててね....」

頬についていたAの涙を拭ってそっと部屋を後にした。

亜嵐side

《ピーーー》

「亜嵐先生、最期の時まで....ｸﾞｽ...主人についててくださり...ｸﾞｽ..ありがとうございました。

おかげでこんなに穏やかな表情で天国に行くことが出来ました。ｸﾞｽ..」

亜「ご主人様は、最期まで頑張っていましたよ。」

そう言って病室をあとにした。

「お父さん....ｸﾞｽ」

奥さんと子供さんの泣き声が聞こえる。

こんな幸せそうな家族なのに病気という悪魔の存在のせいで今1つの幸せが崩れてしまった。

救うことが出来なかった。。

救えなかった自分が憎い

...泣いたらだめだ。俺たちは目の前にいる患者さんを救う事を常に考えなくてはいけない。

患者さんに感情移入してしまっていては立派なお医者さんにはなれない。

岩「亜嵐、おつかれさま」

医局に戻ったら岩さんが声をかけてくださり、無言でコーヒーを入れてくれた。

....だめだ、、

岩さんと話したら我慢している感情が出てきそうで、何も言うことが出来ずただ自分の椅子に座って、泣かないように全身に力を入れた。

岩「....亜嵐？我慢はしなくていいんだぞ？」

そう言って、岩さんが俺の背中にを撫でてくれた。

亜「....岩ちゃん....ｸﾞｽ」

岩「久しぶりに亜嵐から岩ちゃんって言われたな笑

亜嵐、よく頑張ったな。」