PAGES 3-いつか晴れ渡る空の下で-

116話 会いたい ページ24

【Aside】

目が覚めたら見慣れない雰囲気の部屋で一瞬恐怖を感じたけど、すぐに事態を飲み込むことが出来た。




あ「....無菌室か...」


あの時熱出て...ん〜やっぱあんまり覚えてないな。。





にしても殺風景すぎて怖いよ。この部屋。ｸﾞｽ



.....亜嵐くんに会いたい。



ちょっとだけなら部屋からでていいかな？



まだ少し体がだるくて、歩きにくかったけど頑張ってドアのところまでたどり着くことが出来た。



そーっとドアを開けたところに


岩「あれ？起きてたの？.....ベッド戻ろうね」



タイミング悪く岩ちゃん先生が入ってきた。


そのまま、Aを軽々と持ち上げさっきまでいた場所に戻されてしまった。







あ「...ｸﾞｽ..亜嵐くん....ﾋｯｸ...ｸﾞｽ」


岩「亜嵐に会いたくなっちゃったの？」


あ「....ｺｸﾝ...ｸﾞｽ」





剛典side


高熱で無菌室に移動になったAの様子を見に行こうと思って、ドアノブに手を伸ばしたらゆっくり勝手に空きだした。


ん？ここって自動ドアだっけ？笑


うん。だよね。Aの仕業だった笑


この部屋から出ていこうとしていたのは丸分かりだし、

怒ろうと思ったけど、今にも泣きそうな目をしてる。




見た感じだとまだ100％体調が戻ったわけでもなさそうだから、今回だけは怒るのはやめてそっとAを抱いてベッドの上に戻した。


あ「...ｸﾞｽ..亜嵐くん....ﾋｯｸ...ｸﾞｽ」



ベッドの上に戻すと、亜嵐の名前を呼んだA。



岩「亜嵐に会いたくなっちゃったの？」


あ「....ｺｸﾝ...ｸﾞｽ」



いつもならすぐに亜嵐のことを呼んであげられるけど、ついさっき亜嵐の患者が急変してしまい、付きっきりで看病しないといけないからいつものように呼ぶことが出来ない。



岩「今ね、亜嵐お仕事で忙しいから呼ぶことができないの。」


そういうと、Aは亜嵐の名前を何度も呼びながら弱々しく泣き始めた。


あ「いつ...ｸﾞｽ..亜嵐くんに会え..ﾋｯｸ...るの？」



岩「ん〜、Aが良い子に待っていたらきっと会えるよ」

117話 患者さん→←115話 ▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す