大丈夫 ページ44
水野side
藤「お母さんが、、、入院?」
流星に言ってもうた、、
この前も迷惑かけたのにまた自分の事情で迷惑かけたくなかったから黙ってたのに。
電話が来たのは1ヵ月前。
倒れて入院したという叔母からの電話。
仕事が終わって最終の新幹線ギリギリで乗って大阪にいるお母さんのもとへ向かった。
病院に着くとお母さんは寝ていて、そこでお母さんの病気のことを知った。
命にかかわることではないけど、酷くなると手術が必要らしい。
思えばうちはずっと自分のわがままで生きてきた。
それをお母さんはずっと応援してくれた。
LIVEには毎年来てくれて、ちょっと疲れた時には電話で話聞いてくれて、たった1人のお母さんという存在。
だから怖かった。
もしこのままいなくなってしまったら。
それから少しでもお母さんに喜んでもらえるように
今まで以上に気合を入れて仕事して、休みの日は病院にお見舞いに行っていた。
「明日が検査の日でさ、その結果によって手術するかしないかが決まんねん。」
藤「そっか、、、言ってくれてありがとう。
俺に出来ることあったら言ってほしい。
洗濯とか、そんなことでもするから!」
「ありがとう。」
藤「もっと頼ってええんから。
そんな大事なこと1人で抱えてたらそら限界来るわ
Aまでダウンしたらお母さんの心配がふえるだけやで??」
確かに、流星に話しただけで心の荷物が軽くなったように思えた。
それから冷めた唐揚げを温め直して食べた。
藤「ほな、気をつけて行ってくるんやで?
いつでも電話してええから。おやすみ」
明日のことを思ってか、食べたらすぐに帰って行った流星。
結果を教えて欲しいと言わないことろに流星の優しさを感じる。
「きっと大丈夫や。」
しかし次の日。帰りの新幹線は絶望と不安だった。
"悪化しています。手術をした方がいいでしょう"
不安で仕方なかった。
お母さんは大丈夫だと笑っていた。
大丈夫じゃないときほど大丈夫と言ってしまうのはお母さん譲りだったらしい。
無意識に通話ボタンを押した相手は、
藤「もしもし?A、どした?」
新大阪からどうやって帰ったのかは正直覚えていない。
明日何時やったっけ、なんの仕事やっけ?
心が全くついて行っていない状況のまま
仕事に言ってしまったことをホンマに後悔することになる。
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作者名:らら | 作成日時:2019年8月26日 21時