雨ノチ晴れ2 (ページ23)

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和也side ページ23

「和…っ！頼んだ…っ！！！」

そう言って斗真からバトンを
受け取ろうとした時。

にぃたちの

「頑張れ」

って、声が聞こえてきた。

まるでにぃ達が走るみたいに。
周りの騒音に負けないくらい声を張り上げて。

…心から僕のことを応援してくれてるのが
伝わってきたから。

僕は、やっぱり、絶対に1位をとるってきめた。

潤くんからずっとずっと繋がれてきた大切な
バトンを握り締めて、前を走る背中を
全速力で追いかける。

さっきまで熱でもうろうとしてた意識も
ハッキリと覚醒して。

立ってるのもやっとだった体は嘘みたいに
軽くなって。

僕の体じゃないみたいに、僕の足は地面を蹴って
まるで空を飛んでるみたいな感覚。

だんだん近づいてくる背中。

絶対に負けない…！！！

その思いだけを秘めて、
走って、走って、走って…
ゴール手前、ついに僕は前を走ってた走者と
並んだ。

抜ける…っ！！

そして、まさにゴールテープを切ろうとした瞬間。

…相手の肩と僕の肩がぶつかった。

「あっ…！！！」

やばい…っ！！

そう思った時にはもう遅くて…

予想してなかった衝撃に僕の体は耐えきれず、
飛び込むようにゴールテープを切った。