35歳、初恋。＜SN＞ (ページ5)

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眉の濃い青年ページ5

エントランスも無駄に煌びやかで
無駄に広かった。

まず、マンションに入るのに番号。
そして中でまた部屋番号を打って。

ようやく繋がって、向こうが解錠してくれてやっとエスカレーターに乗れた。

マジですごすぎだろ…ドラマとかの、金持ちが住んでるマンションと同じやつじゃん…

「あ、あの…櫻井先生、」

「ん？なに？」

電話から帰ってきてから、やたら挙動不審な相葉。

「その…ニノ、体調悪いみたいで、し…知り合いが看病しにきてるみたいです」

…？
目が泳ぎまくって声が上ずってるけど、それがどうかしたのか…？

「あぁ、ベンツの人…お母さんかなんかだろ？」

「いや…その、櫻井先生、あんまり…ニノの前でお母さんの話はしないでください…」

「え、なんで？てか、お母さんじゃないならベンツは誰…」

「あっ！ほら！着きましたよ！！」

唐突な相葉の言葉に戸惑っていると、タイミング悪くチン♪と軽快な音が鳴った。

相葉は黙ったままスタスタ歩くと、617、と書かれた部屋の前でとまった。

「…早かったね。和が待ってる、雅紀。
…それと…センセイ、でしたよね？」

インターフォンに手を伸ばす前に開いた扉。

え、誰…

やたら眉の濃い、彫刻みたいに顔の整った青年、が、出てきた…