35歳、初恋。＜SN＞ (ページ28)

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そんなわけないページ28

相葉は、1限が終わる頃に汗だくで帰ってきた。

…そして今、目の前にいるのは相葉だけ、だった。

「…ニノ、やっぱり学校来てないんですね。」

相葉は、遅刻してやって来ることを期待して戻ったらしい。…青ざめた相葉には言いにくいけど。

「…二宮のことだが。今朝、欠席の連絡があったみたいだ。

…本人から。二宮は昨日…のこともあったし、保護者の方に代わってもらうようお願いしたそうだがお父さんが出たそうだ。

…それから、反省文を書くように。」

…相葉の目を見て、言えなかった。

登校したものの学校を飛び出した相葉は手の空いている教師で当然捜索された。

自分で帰ってきたからいいものの…しっかり絞るように学年主任に言われたのだ。

「…すまない、相葉。
俺がちゃんと二宮を…」

…見ていれば。
相葉を見逃したのも、二宮のことをちゃんと見ていなかったのも…俺。

そんな俺が相葉に説教たれるなんて…できなかった。

ちゃんと…あやまんねぇと

相葉の目をしっかり見た。

「相葉…？」

さっきよりも、青ざめた顔で。
今にも倒れてしまうんじゃないかと心配なほど真っ青な顔色で、ワナワナと小刻みに震えていた。

「……ない…」

「相葉、顔色が…」

「そんなわけないんです！！

だって、だって…っ

.

…ニノに父親は、いません…っ」