35歳、初恋。＜SN＞ (ページ16)

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孤独ページ16

「…っ、
話聞く前に、とにかく服着ろ。

俺の服で悪いけど、後ろ向いてるから」

沸騰しそうな頭に必死で理性を呼び起こす。
俺の背中にまわされたままの小さな手を引き離した。

早く離れないと…このままじゃ、本当に俺は二宮を…

「…せんせい、なんで…？
ダメですか…？

……やっぱり、オトコなんて気持ち悪いですよね…」

「…にのみや？」

二宮の震えた声。
振り返ると、二宮は音もなく泣きながら、自虐的に笑った。

「ぼく、潤くんに捨てられたんです

…さいごのさいご、潤くんをうらぎったんです。
もう…っ、きらわれちゃったかなぁ…」

眉をしかめて、白い頬をポロポロと涙が伝う。

気付いたら、抱きしめていた。
もうほとんど衝動的に。

息ができないほど、胸が苦しいってこういうことをいうんだと思った。
哀しく笑う二宮の姿は、俺の胸をキリキリと締めつける。

抱きしめたい

二宮を、守ってやりたい

こんな感情、生まれてはじめてだった。
でも…

「…松本さんに連絡してあげなよ。
二宮のこと、今頃心配してる。

…松本さんが二宮のこと嫌いになるわけないよ」

あんなにも二宮を大事に大事に囲っていた松本さんが、二宮を嫌いになるわけがない。

それに相葉だって…

「…結婚するそうです。

それにもう…潤くんはいません。
…アメリカに行っちゃった。」