35歳、初恋。＜SN＞ (ページ15)

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泊めてくださいページ15

俺が覆い被さるような体制のせいで二宮は上目遣いだった。
超至近距離で、二宮の視線を感じながら消毒を続けた。

顔があつい…

ちょっと、距離が近いだけで何赤くなってんだよ…
二宮の視線を感じて余計に顔が熱くなる。

急いで離れようとすると、顔の横についていた手を掴まれた。

「…せんせい、きょう、泊めてください…」

「え…？」

「僕、何でもしますから…」

ボスっとクッションの落ちる音がした。

掴まれていた手が離れて、代わりにするりと首にかけられる。
どんどん近付いてくる綺麗な伏し目。

「ん……ふ…っ」

カランと音を立てて右手からピンセットが落ちた。

柔らかい、薄い唇はほんのり血の味がする。

二宮はもう片方の手を俺の背中にまわして、グッと引き寄せる。二宮の素肌の体温がシャツごしにジワジワと伝わる。

銅像のように動けないまま、繰り返されるキスはどんどん激しくなる。

…っ！！
舌、入って…っ！

「ンン…っ！
はぁ…っ！にのみやっ！！」

「ンッ…」

「な、何して…っ！」

二宮の肩を掴んでバッと引き離すと、近すぎてあまり見えなかった顔が、よく見えた

キスでいつも以上に紅くなった唇は、唾液でテラテラと光っていた

ウルウルの瞳はトロリと蕩けて、
苦しいのか口はうっすら開いていた

夢の中の二宮と、重なって見えた。