35歳、初恋。＜SN＞ (ページ2)

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高校生になって、ほとんどの生徒が初めて顔を合わせる状態。

まだ探り合いで、話している生徒はほとんどいない。

俺が教壇に立つと、微かに聞こえていた話し声も完全になくなった。

「おはようございます。
1-4の担任の櫻井翔といいます。

まずは入学おめでとうございます。
激戦をくぐり抜けてきた自分のことを誇らしく思ってほしい。

もちろん期待感もあるだろうけど、入学したばかりで不安なことも多いと思う。

色んなことがあると思う。
それは当たり前のことだし、いい経験になると思います。

…ただ、僕はイジメだけは許しません。」

教壇に立ち、いつもと同じように、淡々と大切なこと、伝えておくべきことだけを話していく。

いきなりこんなことをハッキリ言う教師は少ないだろう。

生徒達や後ろに立つ親御さん達の空気が変わったことを感じたけれど、構わず続ける。

「何があったとしても、いじめられる方が悪いなんてことは、100%ないから。

それだけは、覚えておいてください。

…まあ、最初に厳しいことを言ったけれど、高校生活は体育祭や文化祭、部活、楽しいことがたくさんあります。

楽しく有意義な1年間にしましょう。」

一応、ニッコリと笑って話をしめる。

静まり返った教室に俺の声だけが響く。
教壇から名簿をとりあげた。

「じゃあ、今から出席を取るので名前の読み方が違ったら教えてね。」

もう顔と名前は一致してるんだけどね。