ブラコンとシスコン１ ページ26
＜和＞
Aが和と話したいって言っているから勤務が終わったら病室に顔を出してやってくれ、と陽兄から連絡が入った。
どこか具合でも悪いのかな？
なんだか気になったので、残業もせずにさっさとAの病室に向かった。
Aはベッドに横になって音楽を聴いていた。指がピアノを弾くように動いているから、きっとクラシックでも聴いているんだろう。
「A、来たよ」
そっと肩に触れると、Aは一瞬ビクッとして目を開けた。
耳からイヤフォンを取り、身体を起こそうとしたので、背中に手を当てて支えてやる。
「和兄、ごめんね。忙しくなかった？」
「ん。大丈夫。やらなきゃいけないものはやってきたから。でも、どうした？珍しいね、俺をご指名なんて。具合でも悪いの？」
「んーん。そんなんじゃないの。ちょっと相談事っていうか、聞きたいことがあって」
「どうした？言ってごらん？」
促しては見たものの、なかなかAは言い出せないようで、「んー」とか「えっと…」とか繰り返している。
「どうしたのさ？気になるから話して？」
改めて問うと、おずおずとAは口を開いた。
「お兄ちゃんたちってさ、恋人、誰もいないよね。なんで？」
「え？」
「だから、なんでみんな彼女作らないのかなって」
「ああ……」
意外な質問だったので、ちょっとびっくりした。
確かに、俺たち兄弟には特定の女性はいない。もちろん、いたことがないというわけではなく、学生時代はみんなそこそこ楽しく遊んだし、女性とも当然お付き合いなどもあった。
「んー、別に、今特にみんな好きな人がいないからじゃない？仕事も忙しいし」
俺の言葉に、Aは怪訝そうな表情を浮かべる。
「でも、お兄ちゃんたちくらいの年齢なら、恋愛はもちろん、結婚してる人だって普通にいるでしょ？恋もできないほど、お医者さんや看護師さんって忙しいもの？」
「うーん、例えば本当に好きな人ができたらどんなに仕事が忙しくても時間作ってお付き合いすると思う。だけど、今は誰もそこまで好きな人がいないっていう、それだけの理由じゃないかな」
「ふうん……」
「いきなりどうしたのさ？今までそんなこと気にした風もなかったのに」
「んー、ちょっと気になったから聞いてみただけ。ごめんね、お仕事終わって疲れてるのに」
「いや、いいけど。じゃあ和兄帰るよ？明日また来るから」
「はーい、またね」
Aの病室を出る。
本当に、一体何だったんだろう？
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みんみ(プロフ) - 更新希望です！何度も何度も繰り返し見ています！更新楽しみにしてます！この作品に巡りあえて幸せです！ (2016年10月28日 18時) (
レス) id: e5b883d2de (このIDを非表示/違反報告)
ﾏｰﾒｲﾄﾞ - 何回も読みたくなる程、素晴らしい作品で私のお気に入りです!!更新楽しみに待ってます♪身体に気を付けて頑張ってください(^o^)/応援しています(^^) (2016年10月3日 21時) (携帯から) (レス) id: fa8cf9b19a (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！宜しくお願いします！ (2015年3月16日 16時) (レス) id: d1aa80a540 (このIDを非表示/違反報告)
旅人 - もちろん時間のある時で構いません。応援しております。 (2014年12月10日 15時) (レス) id: 2df0de9b14 (このIDを非表示/違反報告)
旅人 - 更新待ってます。お忙しいのでしょうが、楽しみにしておりますのでどうかよろしくお願いいたします (2014年12月10日 15時) (レス) id: 2df0de9b14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らら | 作成日時：2013年12月15日 7時
