マヨイガ【rbr】 (ページ9)

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「お騒がせしました…」

少しぬるくなってしまったお茶を飲む。

何だかよくわからないまま、お互いどうすればいいのかわからないまま涙は流れ続け。

具体的な時間はわからないが、それでも4、5分程度のことではなかったのは確かだ。

「何はともあれ、落ち着いたみたいでよかったわ」

ふわりと微笑んで神様は言う。

申し訳なくて、それだけでまた涙が溢れそうになった。

「なんか感激してもて……」

言い訳がましく口にすると、ロボロはやっぱり微笑んで、優しく頷いてみせた。

「光栄やわ」

それからちょっと間を開けて、

「最初めっちゃ焦ったわ」

なんて、笑い混じりに言って。

そんなの、ズルい。

だから私は、また誤魔化すように口を開く。

「もしかしてさ、昔演奏会とかしてた？」

「演奏会？…別にしてへんけど」

少し考え込んだ様子のロボロは、何で？ともの問いたげに答えた。

「何か聞いたことある気がして」

「…そう」

その声は嬉しそうに弾んでいたのだけれど、

その時私はほんの少しの違和感を抱いただけで、

何も気付けなかったのだった。