マヨイガ【rbr】 (ページ6)

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陸ページ6

「そろそろ急いだ方がええんとちゃう、親御さん心配しはんで」

結局、時間が来てしまったためロボロの演奏は次回へ持ち越しとなってしまった。

「そっか…」

ちなみに、この屋敷には時計がない。

ここマヨイガでは、時間を告げるのは時計ではなくロボロの役割だ。

学校ではずっと時計と睨めっこしている私も、ここでは時間を気にしたことなどほとんどない。

それでも門限が近くなると、こうしていつもロボロが教えてくれる。

(残念ながら、時計を見なくても時間がわかる理由は企業秘密なのだそうだ)

「そんな顔せんでも、明日聴かしたるがな」

ゆっくりと玄関まで歩き、靴を履いても、ここにいたくてやっぱりぐずぐずしてしまう。

ロボロは、そんな私を見てケラケラと笑っていた。

「絶対やからな」

そう言って、今日も屋敷を出た。

いつまでもあそこに居られたらいいのに。

そんなことを夢想しながらダッシュする。

私の両親は心配性で、門限がとてつもなく厳しい。

なんでも、私が小さい頃に行方不明になったことが原因のようで。

小さかったし行方不明になった記憶などないのだけれど、

門限を伸ばして欲しいと話を切り出す度に泣いて懇願されるのだから、門限を守らない訳にはいかない。

幸いにも、門を出た先は直ぐに家だ。

今日も時間ギリギリに滑り込む。

ああ、明日が楽しみ……