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肆 ページ4
「お
お筝。
いつどこで聴いたのかはわからない。
わかるのは、もうずっと前のことだと言うこと。
そして、綺麗だったと言うこと。
昔に一度聴いたその音に憧れて、私は箏曲部に入った。
のだが。
求めていたあの音は、見付けられなかった。
お手本になってくれた上手な先輩の音も、やっぱり何だか物足りない気がしてしまう。
私もいつか、あの音を出せるようになりたい。
そう思ってる。
だから。
「お、ええよ」
ロボロは二つ返事で了承してくれた。
「今からする？」
湯のみを片付け、ロボロは少し首を傾げる。
「する！」
勢いよく答え席を立つと、ロボロは笑いながら「ほなやろか」と言った。
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作者名：ルウ | 作成日時：2022年8月8日 8時
