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廿肆 ページ24
どこからとなく、ちゅんちゅんと鳥が朝を告げる。
目を開くと、カーテン越しの朝日が優しく瞳を撫でた。
上半身を起こす。
なにか、なにかふわふわと幸せな気分…
寝ぼけた頭で原因を探す。
『上手いなあ！』『よっしゃ任せとき！』
突如頭にこだました、楽しげな声。
射的や金魚すくいに はしゃぐ、神様の姿がまぶたに蘇る。
そうだ、昨日の夜お祭りに…
自分の姿を見下ろすと、パジャマが目に入る。
夜に抜け出したこと、ロボロに助けられたこと、
一緒にお祭りを廻ったことはちゃんと覚えているのに、
一体自分がどうやってここまで帰って来たのかが思い出せない。
もしかしたら、全部、都合のいい夢だった……？
冷たい水の感触、りんご飴の甘い甘い味、肩に触れた、ロボロの温かさ。
どれもこんなに鮮明に思い出せるのに。
「Aー」
母の呼び声にはっと立ち上がる。
考えに耽るのをやめて、私は母のもとへ向かった。
枕元には、寝る時には無かった愛らしいマスコットが静かに座っているのだった。
続く
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作者名：ルウ | 作成日時：2022年8月8日 8時
