マヨイガ【rbr】 (ページ23)

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廿参ページ23

少し歩いたところで、もう大丈夫、とロボロが立ち止まった。

肩から腕が離され、雑面が外される。

開けた視界、一瞬、チラとほんの一瞬だけ覗いた、ロボロの素顔。

でもそれも直ぐに雑面に隠されてしまった。

私が雑面を見ていることに気付いたロボロは、ふわと笑って

「前見えへんと危ないから、Aはこっちな」

とお面を被せてくれる。

ありがと、そう口にすると、ロボロは「ん」と笑って、

「はい、りんごあめ」

とりんご飴を差し出した。

「いつの間に...」

そのりんごあめは、いつもより、とても、甘かった。

「せっかくやし他の屋台も見て行こうや」

願ったのはついさっきなのに、こんなにも早く叶うなんて。

そろそろバチが当たるかもしれない。それでもいいけど。

『一緒に廻れますように』『一緒に来れますように』

つい頬が緩んでしまって、ロボロには

「何笑ってるん」

と指摘されてしまった。

「ないしょ」

少し頬を染めて、Aは楽しそうに笑った。