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拾玖 ページ19
夜闇、電気を消して目を閉じると、さらさらと川のせせらぎが聞こえて来る。
この家の裏手には大きな川が流れているのだが、
昼間は、お盆なので、馬に見立てた茄子や胡瓜が楽しげに泳いでいたのだった。
今日も、昨日もロボロに会えていない。
もちろんおばあちゃんも好きだけれど、
ロボロに会えないと、寂しいと言うか、物足りないと言うか。
なんだか欠けているような気がしてしまう。
＿＿さらさらさら
清らかなせせらぎに身をまかせると、ゆっくりと夢の世界が近付いて＿＿＿
目を開いた。
せせらぎの音に混じって、かすかに、どこからか楽しげな笛の音が聞こえる。
近くでお祭りでもあるのだろうか。
そっと上半身を起こして耳を澄ます。
きこえる。
やっぱり、聞こえる。
近くでお祭りしているならそう言ってくれたらいいのに。
そんなことを思いながら、私は忍び足でふらりとおばあちゃん家を抜け出したのだった。
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作者名：ルウ | 作成日時：2022年8月8日 8時
