マヨイガ【rbr】 (ページ17)

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拾漆ページ17

「そっか今日七夕や！」

立派な門を抜けると、いつもの庭園の中ひときわ存在感を放つ立派な笹。

その上の方、高いところで桜色の短冊が揺れる。

まさかあれはロボロのものだろうか、いやそんなまさか。

あんなに高いところに届くわけ...

「おかえり」

がらりと引き戸を開けてロボロが出てくる。

「ただいま」

あの短冊ロボロの？そう尋ねると、

他に誰がおんねんと真っ当な答えが返って来た。

でもでも。

「だってあんな高い...」

言いかけたけど、ロボロの顔を見てやめておくことにした。

「ロボロは何書いたん！」

せっかくやしAも書くやろ、そう言って新しい短冊を出してお茶を飲んでいた神様は、

その言葉に少し首を傾げて笑ってみせた。

「ないしょや」

「何それ気になるんやけど」

あの手この手で質問しても一向に答えてくれる様子がなかったので、

私もロボロには見せないようにして短冊に願いを書いた。

『ずっとこの日々が続きますように』

もちろん、この短冊はロボロには絶対に見られないように

できるだけ高いところに括り付けたのだった。