マヨイガ【rbr】 (ページ15)

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拾伍ページ15

『A』

やわらかな声に、意識がまどろみからゆっくりと浮上する。

｢...はよ｣

重い瞼を持ち上げると、天井と見慣れた雑面とが目に入った。

｢おはよう｣

言(ゆ)ーて夜やけどな、そう言って神様は笑う。

｢まって寝てもた！門限...｣

恐ろしいことに気付きガバリと起き上がる。

｢大丈夫やで、まだ30分も経ってへんから｣

そんな私にくすりと笑って、ロボロが言った。

｢よかったぁ...｣

途端に肩の力が抜ける。

そうか、まだ30分経ってないのか...

まるで何時間も寝た後みたいに体が軽いのに。

｢ほら、でも30分寝たんやから急がなあかんのに変わりはないで｣

｢あぁほんまや！｣

やんわりと急かされて慌てて立ち上がる。

｢これありがとう｣

私が寝ている間にかけてくれたらしい毛布を手渡すと、

いえいえと笑って受け取るロボロになんだか違和感を覚えて。

｢なんかちっちゃなった？｣

いつかと同じように、怒りマーク付きのいつもの答えが返ってきた。