びょーいん ページ20
｢もう治ったんですね！｣
元気な声で、いつかの男の子が言った。
総｢誰かと思えば、あの時のマヨネーズ少年じゃないかィ
･･･またマヨネーズの届けもんでも？｣
皮肉っぽく沖田さんが言った。
何故か、かなり機嫌が悪いらしい。
それがかなり怖いらしい。
男の子は身動ぎし俯いてしまった。
が、少し待ってみると、何かを決心したような顔で勢いよく頭を下げてみせた。
｢その節は、本当にごめんなさい！！｣
僕のせいで･･･と弱々しく続く声を遮り、私は言葉を捩じ込んだ。
｢市民を守るのが私達の仕事。
だからあなたのせいじゃないよ。
それに･･･こちらこそ、巻き込んでしまってごめんなさい｣
どうやら沖田さんの機嫌は相当悪いらしい。
殺気が背中を通してビシビシと伝わってくる。
が、殺気を知らない無垢な男の子は私の言葉に、はにかんだように笑ってみせた。
少し近況について話した後、少年は言った。
｢僕も、2人みたいに強くなる！
だから、強くなって、大きくなったら僕も真選組の隊士さんになって、じょちゅーさんと結婚する！｣
その言葉を聞くと、Aはもし隊士さんになったら一緒にいられるね、と嬉しそうに笑ってみせた。
その笑顔が気に入らなかったのか、結婚と言う言葉が気に入らなかったのか。
それとも、邪魔されたのが気に入らなかったのか。
総｢Aを置いて逃げるようなお前じゃ無理だ｣
沖田はそう、冷たく言った。
余談だが、その頃屯所では沖田とAの“例のアレ”が早くも噂になっていた。
ラッキーアイテム
｢ビビってんですかィ？｣
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作者名：あおいひつじ | 作成日時：2019年12月20日 14時
