とんしょ ページ4
「じょちゅーさん、まだ起きないんですか」
マヨネーズを手に屯所を訪ねてきた少年は目を伏せて言った。
それを受け取った門番はかすかに頷いた。
「ああ、眠り込んだままピクリともしない。
それでも傷は通常の3倍の速さで回復に向かっていると言うからな」
力無く笑って自嘲気味に呟く。
隊長もまだ意識が戻らないし、と続く不安を口の中で転がす。
こんな小さな子供に言っても仕方がないからだ。
代わりに門番は無理な笑みを浮かべ、少年に言った。
「怪我もよくなってきてるし、目を覚ます日もそう遠くないと思うよ。
意識を取り戻したらすぐに伝えるから、安心して家にお帰り」
「うん・・・じゃあ、また来ます」
少年は頷き屯所を後にした。
門番は深いため息をついた。
沖田とAが屯所から消え早一週間、
屯所内はどこも暗かった。
バズーカの爆発音や土方の怒鳴り声、Aの明るい挨拶が聞こえない屯所は、
沖田と土方が暴れ、笑いつつも静かにそれを諌めるAがいない屯所は、
まるで別の場所であるかのように酷く静かだった。
門番はまた、大きなため息をついた。
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「ビビってんですかィ?」
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作者名:あおいひつじ | 作成日時:2019年12月20日 14時