笑神様っ！！ 【鬼滅の刃】

笑った人数・十六人 ページ19

『くしゅっ！』




無事任務が終わり、村の人に手拭いをもらって去った二人はゆっくり道を歩いていた。のだが。




冨岡「…風邪をひいたか？」




全身びしょ濡れで数分放置しておいたにこの体は鼻水がでて、時々くしゃみと震えが続いていた。まだ髪や服も湿っているが生憎、現在地からにこの屋敷は遠い。




冨岡は自分の羽織を被っているにこを横目で少し心配そうに見つめた。が、にこはそんな冨岡とは反対に、目をキラキラさせて興奮していた。




『風邪？これ風邪なんですかっ？え、それなら嬉しいじゃないですかっ！！風邪！！風邪ですよっ！！冨岡さんっ！！』




冨岡「……大丈夫か？(主に頭の方が)」




『大丈夫？元々大丈夫じゃないですからそれはお気になさらずっ！！！えははっ！！知ってます？知ってますっ？風邪の時って逆に笑った方が興奮して脳から色々生産されて免疫力が上がるんですよっ！？だから一日中笑ってられるんです！！元気のために！！凄くないですかっ！？これ聞いたら風邪っていいなって思いませんかっ！？』




鼻をズビッとすすりながらにこは興奮気味に話した。だがそれで冨岡がはい、そうですね。と言うわけがなく。




冨岡「………恵比寿、一度診てもらえ」





と、眉間に皺を寄せて目尻をおさえながらため息をついた。




『えははははっ！！ずびっ！！冨岡さん、それって風邪じゃなくて私の頭の方、言ってますよねっ！！！えははっ！！上手いですねっ！！でも安心してくださいっ！！次の予定はしのぶさんと蝶屋敷でなのでっ！！！風邪薬もらって笑っとけばすぐ治りますよっ！！！あ、時間がやばいっ！！！じゃあ冨岡さん、また今度っ！！！ありがとうございました〜っ！！！』




にこはひとしきり喋って笑った後、借りていた冨岡の羽織を綺麗に折り畳むとそれを渡してパーッと風のように走っていった。




冨岡「……教養がいいんだか悪いんだかわからんな…」




のりでも使ったようにピシッと綺麗に畳まれた羽織と先程の博識な論説を思い出しながら冨岡は遠くなったにこの後ろ姿を見つめた。

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