笑神様っ！！ 【鬼滅の刃】

笑った人数・七人 ページ10

冨岡「遅い」




『すみません！！遅れましたっ！！』




待ち合わせの場所の食堂の前では冨岡が腕を組んで立って待っていた。相当待ったようで眉間に皺が寄っている。




その顔に笑わないように堪えながらにこはパッと謝った。だが顔がいつも笑っているせいで全く反省しているように見えない。




冨岡「…何故遅れた？」




『迷いましたっ！！』




冨岡「…本当に反省しているのか？」




『はいっ！！』




冨岡「………」




元気よく返事するにこに冨岡は疑わしそうな顔をした。さっきよりもっと眉間に皺が寄る。




『〜〜っ！！！ぷっ！！あははははっ！！とっ、冨岡さん！！その顔っ！！おもしろいですっ！！！あははははっ！！』




ついに我慢できなくなってにこが吹き出すと冨岡は呆れたようにため息をついた。




冨岡「相変わらずだな恵比寿」




『恵比寿じゃなくてにこですよーっ！！あ、そういえば冨岡さん、もう鮭大根食べたんですかッ！？』




冨岡「？…あぁ」




なんでそんなことを、聞くのかわからないというような顔をする冨岡とは逆ににこはえええっ！？と残念そうな顔をした。




『もう食べちゃったんですかぁ〜、残念〜っ！！冨岡さん、鮭大根食べたら笑うって聞いてたから楽しみにしてたのにぃ〜！！！』




冨岡「…誰から聞いた」




『しのぶさんですっ！！』




冨岡「…………行くぞ」




しのぶ、という名前を聞いた途端になんだか嫌そうな顔をした冨岡はにこにくるりと背を向けて歩きだした。




にこは急いでその後を追う。




『待ってくださいよ〜っ！！でも冨岡さんって口下手なくせに結構顔に出るタイプですよねっ！！そのまま笑ったら絶対嫌われないのに〜！！でも私は冨岡さんのこと好きですよっ！！』




冨岡「…俺は嫌われてない」




『あははっ！！思い込みが激しいところもおもしろいです〜っ！！』




いつも笑っているだけのように思えるかもしれないにこの実は超ストレートな言葉を聞いて冨岡は幾度かグサッときたという。

笑った人数・八人→←笑った人数・六人

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す