5話 ページ7
『浅草ね…また面倒くさい街だ』
家の外で浅草への行き方を思い出していると
「「「A姉ちゃん!!」」」
『!…おはよう』
三人の子供たちがかたまってこちらを見ていた。女の子が一人と、男の子が二人。
三人とも不安そうな表情をしている。
『(だめだなぁ…)』
私は一人で自虐的な笑みを浮かべると子供達に近づいて、その頭を撫でた。
少女「お姉ちゃん、今日も行っちゃうの…」
少年「前みたいに遊んでくれないの…?」
8、9歳くらいの幼い二人。
『ごめん…仕事だからさ。また休みもらったら遊ぼうか、
笑いかけてやれば残念そうだが大人しくうなずいてくれる。
この子供達は私が15歳、3年前に拾った…というか引き取った子達だった。
私が外務交士をはじめて間もない頃に、ある港町で追いはぎをしていたんだっけ。
親に捨てられたりして何とか一日一日を自力で生きていくこの子達を見て、どうにかして力になってやりたいと思った。だから、昔から意味もなくしていた貯金を使って自宅の裏の土地を買って、簡易的だが家も作り、そこに住まわせた。私の家自体は他の柱と違ってそんなに大きくないから自宅に住まわせることは流石にできなかったんだけど。
『他の子達はまだ寝てるだろうけど、そのうち起きるだろうからまた面倒見てやってね』
最初はたった七人だけだったがあれからどんどん増えて今は五十人くらいの大所帯となっている。ほとんどは4〜7歳くらいで、残りは2、3歳、あとは皆の面倒を見てくれている上の子達…8から13歳の範囲となっている。最初からいる七人は皆«上の子»である。
『
三人の中のもう一人…最年長の少年、海の方を向き、その頭を強く撫でた。
海は追いはぎをしてた頃のグループのリーダーだった。一番面倒くさいけど、責任感が強い。
…相変わらず今も拗ねてるけど。
濃紺色の髪を見つめると、すっとその頭がこちらを向いた。海色の瞳が見える。
海「…ちゃんと、帰ってきてよ」
一瞬目が合ったがすぐにそらされた。声も小さかったがちゃんと聞こえた。
まったく…こいつは素直じゃないな。
『帰ってくるよ。ちゃんと』
そういって微笑むと海達に背をむけて走り出した。
『(あの子達にあんな顔させるなんて…だめだなぁ…私)』
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らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時