42話 ページ46
昼頃に来たAだったが、すべてを話し終えてすっきりしたときには外は暗くなっていた。
Aは本職が夜型なので別にどうということもないのだが、親として鱗滝が泊まっていけと言ったのだった。
昔いた時のことは頭も体も忘れていなくて、布団の位置やご飯の後片付けなどもスイスイできた。
風呂も入ってさっぱりしたAは布団の上に座って、刀の手入れをしている鱗滝にふと思い出したことを聞いてみた。
『そういえば、鱗滝さん』
鱗滝「ん?どうした」
『最近また弟子をとったでしょう?』
鱗滝「…義勇から聞いたのか?」
『まぁね。義勇がその兄妹を見つけた時に私もいたの。…でも顔は見ていない。名前も…知らない』
癖のついた湿った前髪を指に絡めながら聞くと何故か鱗滝は黙った。
『…知ってるんでしょう。妹が鬼の、その兄妹を。ここにいたのも感じ取れるし、前に送られてきた手紙にも匂いはついていた。…安心して、斬ったりしない。隔離棟にも連れていかない。ただ知りたいだけ。私にも人の心はある。…あと鬼の心もね』
鱗滝「……」
だが鱗滝はこっちを見たまま黙っている。無反応な相手にAは少し語気を強めた。
『まさか、義勇と一緒にだんまり作戦ってわけじゃないよね?義勇も何も教えてくれなかったんだけど』
鱗滝「…た…じ…う」
『え?』
ぼそりと呟いた鱗滝に、Aはもう一度聞き返した。
鱗滝「炭治郎…竈門炭治郎だ。妹の方は竈門禰豆子。鬼の子だ。だが暗示をかけておいたからそこまで狂暴ではない」
『竈門…炭治郎…。禰豆子…』
何故かしっくりきたその名前に思わず口ごもる。鱗滝さんの暗示ならきっと大丈夫だろう。今の私にも実は暗示が効いている。
鱗滝「赤い髪の少年だ。一松柄の羽織を着ている。緑と黒だ。刀の色は黒。妹の禰豆子を箱に入れて背負っとるよ」
『箱…。どうせ鱗滝さんの手作りでしょ。霧雲杉の。あと…岩漆』
鱗滝「よくわかったな」
『伊達に鼻いい親と一緒にいないからね。私が鬼化の操作ができなかった時にも似たような箱に入れてたじゃない』
Aが言うと鱗滝は思い出したようにうなずいた。
『それにしても変な子だね…。それならすぐに見つかりそう』
鬼の子か…と考えていたAに鱗滝が聞いた。
鱗滝「そういえばA、鬼化の検査は受けているのか?」
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らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時