36話 ページ40
?「お前、何しに来た!!」
猪はずっと声を張り上げて睨んできている。多分怪しんでるんだろう。それか人間嫌いとか。
…それにしてもよく出るなぁ、声。うるさいの通り越してすごいわ。
『何って…調査士だから調査しに来たんだよ。あとこの子の止血。君は…えーっと』
名前がわからないので思わず口をつぐむ。いや、名前なんてあるのかどうかも凄く怪しいところなんだが。
少々考えていると、そこは察したのか猪が
?「俺の名前は嘴平伊之助だ!!よぉく覚えとけ!!」
と、まぁ偉そうに自己紹介をした。
…名前だけはしっかりしてんのね。
『あぁ…伊之助君ね、最初に言っとくけどさっきなにか投げたのは私。この子が食われてたからとっさにやってしまったんだ。ごめんね』
軽傷でも怪我させちゃったわけだし、今のうちに素直に謝っておく。簡単だが心は十分こもっている。許してくれるだろう。単純そうだし。
伊之助「あれお前だったのかァァ!!!」
伊之助は急に思い出したように怒った。やはり結構痛かったらしい。だが鳥のようにキィキィ言ってくる伊之助にAは微笑んだ。営業スマイルの方で。
『本当にごめんね…私は手が出せなかったからつい近くにいた伊之助君を頼ろうと思って…だってとても強そうだったから…。でもあの技すごかったよ!!我流なんだね!いいなぁ、その実力がうらやましいよ』
相手の機嫌をよくするために、まさに喜びそうな言葉を投げかける。皆様ご注意を、これは演技です。
『それにしてもかっこよかったなぁ、一体どこで修行したの?技名も自分で考えたんだよね!すごいなぁ』
そこまで言って、そっと笑みの隙間から相手の表情を探ると何気に照れていた。フンと鼻息を荒くして偉そうに笑っている。
伊之助「フハハハハ!!そうだろ、そうだろ!!」
『(ちょろい…。こういうところは天元に似てる…)』
この手の奴は面倒くさくなりそうだと判断したAは、さっさと少年の止血をした。伊之助はその間もずっと笑って自画自賛している。
『巻き込んでごめんね…。これからもっと面倒くさいことになると思うから君はもうお行き』
少年「は、はい」
Aが静かに言うと、少年は戸惑いながらも返事をして足早に去っていった。その後ろ姿を見送ったAは先程放った刀を拾い上げて、鞘に戻した。
152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時