27話 ページ30
頭が真っ白になった気がした。
私が?退く?
何言ってるんですか、我が主は。
私はまだまだ現役なのに。ボケたんですか。
『…は?』
産屋敷「Aの為、そして隊の為だよ。わかってくれるかな」
何でですか。わかりたくもない。
『私に退けと、引退しろと言うのですか!?何故!?私が仕事に音を上げたことがありましたか!?支障をきたしたことがあったでしょうか!?』
産屋敷「いいや、違う。Aが悪いことなどないんだよ」
『なら何故!?受け継ぐ為?誰に?次に、次の世代に私と同じくらい仕事をする隊士がいるというのですか?でもこれは…この仕事は…』
『私の、私だけの仕事だったんですよ…?』
おかしい。私だから皆あんな風に喜んでくれた。満足してくれていた。私が、自分でやりきるために申し出たのにそれを受け継ぐなんておかしい。
『私の今までの銘意義は…どうなるんですか…』
あの責任感は、自信はどこへいくのだ。
産屋敷「…他にも理由はあるけれど、決してAが悪いんじゃないよ。それはわかってくれるね。これは未来の為だ」
『…貴方のその、«先見の明»にかけてですか?』
苦しい表情で相手の目を見ればお館様の目は澄んでいた。
産屋敷「…ああ、そうだね」
納得できない。
納得できないけれど、お館様の目が澄んでいるときは本当に信じていい時だ。
『わかりません、貴方の真意はわかりませんが―信じます。隊の為ならば。…ですが』
産屋敷「?」
『我が主、貴方が許す範囲で仕事を下さい。遠出じゃなくていい。私は完全に退くわけにはいかない。譲るだけ、席を少し譲るだけです。それでよろしいでしょうか』
なくしてたまるか、この誇りを。
私がつくった居場所だ、死ぬまで見届けてやる。
産屋敷「…うん、いいよ。ではそうしよう。Aは相変わらず責任感が強いね。いい子だ」
『…貴方に言われたくないですね』
152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時